武者ガンダムの漫画の新装版の第2巻です。 前の巻の最後にネオアレックスになったあとから始まっているため、この巻から読み始めた人は少々戸惑ったかもしれません。 前巻同様に約3巻分の内容のため、通常のコミックに比べ非常に分厚いです。
前半部分がこれまでの完結編に当たる天下統一編、後半が舞台を変えての地上最強編になります。 この後のシリーズは地上最強編の舞台で続いていきました。(私の知る限りでは少なくとも続きの3シリーズ) どちらも前の巻の2シリーズに比べればコミックワールドに近くなっています。
天下統一編は非常に良かったと思います。 見所は、後半で描かれた殺駆頭親子の戦いでしょうか。 このシリーズの闇軍団の配下はコミックワールドだと龍将飛将くらいしか目立ったのがいなかったので、多少無茶な気もしましたがこの追加はよかったと思います。 殺駆もコミックワールドでは出てただけだったので、いい見せ場になっていました。 (初出の次の回でその心中が語られていましたが、歴史が変わっていたとはいえそのへんが有耶無耶になったのが当時から引っかかりはしましたが) 全体的な話の展開は(尺がぜんぜん違うせいもありますが)こちらがよかったですが、締め方はコミックワールドのほうがよかったと思います。
地上最強編は、正直いまいちかと感じました。 ドラクエ4のように3つの地方で各3人が争いを解決し、最終章で集結して大光帝を復活させてラスボスを倒すという設定でしたが、 ドラクエ4と違って各地方での話の展開が似通っており、阿修羅あたりの話になると少々飽きてきました。 がんばって復活させた大光帝もそれほど活躍しなかったのは残念でした。 元がそういった話なのでやまと先生を責められないのですが、やはり普通に徐々に仲間がそろっていくほうがよかったです。 メイン以外で良かったキャラは猛者ビギナでした。出番は少なかったですがいい見せ場がありました。 なお本編の最後でちょっと出たように、次の伝説の大将軍編はF91の修行中から始まります。
両編ともBB戦士にもなっていなかった脇キャラの描写が増えているのは良かったです。 コミックワールドを読んだだけでは物足りなかった人でも満足できると思います。
SD武者ガンダム風雲録の新装版の最終巻になります。 本巻は前半が伝説の超将軍編、後半が説明にある短篇集になります。
前半ですが、クリスタルフェニックスに出会うまでの道中に結構イベントが有り、メインの3人やうっかりザクレロには結構見せ場がありました。 風車の百式は思っていたよりも強キャラでした(敵からもそう認識されてた)が、活躍する場が少なかったのは残念でした。 その他のキャラは出番自体がないキャラも居て、上記の5名以外の活躍はあまり描かれませんでした。 ただ通して出てた敵が魔殺駆だけで、敵キャラに魅力があったとは思えませんでした。 この時期(この編と前の地上最強編)はBB戦士で敵キャラが出てなかったので、あまり思い入れがなかったからかもしれません。 (魔殺駆は次のシリーズでBB戦士化されましたが、リアル頭身になったイメージが強くてSD体型のイメージが薄いです) 締め方はどうかと思いましたが、続いて掲載された短編の初作がその続きにあたるとも言えます。
後半の短篇集ですが、大牙ガンダムあたりは知ってましたが、他の作品は私の知らない輝羅鋼以降の番外編ばかりで、 キャラや背景がわからない身としては楽しめませんでした。 最後の2作は時代を無視していろんなキャラが出ており知っているキャラも出ていましたが、 敵が知らないキャラ(当時の最新作?)だったのでそれほどのめり込めませんでした。 (上記の事情から短篇集は評価対象にしませんでした)
この本、特に後半に関しては比較的新しいシリーズ(BB戦士で言えば150番以降)を知っていなければ楽しめないと思います。 (前半の本編から近いものでも2シリーズ後で、発売日時点でHPで公開されているコミックワールドでは追いついていません) 既刊2冊と異なり短編で多数のシリーズの作品が入っていたので、せめて短編ごとにキャラ紹介のページでも入れてくれればもう少し楽しめたと思うので、その点は残念でした。
かつてコミックボンボンで連載されていた「SD武者ガンダム風雲録」が2012年〜2013年に三分冊で復刊されることとなった。
第1巻である本書には「武者七人衆編」「風林火山編」の全編、 イラストと文章によるストーリー「SD戦国伝秘絵巻猛将殺駆頭物語」、 およびBB戦士「大旋鬼頑駄無」の説明書付属の描き下ろしコミック、 そして「プラモ狂四郎」とのクロスオーバー掌編が描き下ろしのオマケとして収録されている。
いずれの作品も、丁寧な筆致と勢いのある描写で楽しく読むことができる。 最近のSDガンダム作品からSDガンダムに興味を持った方にもオススメである。 別展開であるBB戦士のコミックワールド版と読み比べるのも楽しい。
正直なところ、「武者七人衆編」「風林火山編」については今少し整合性を練った上で描いて欲しかった気がしないでもない。 『大将軍頑駄無』のなんともモヤモヤした存在感、 砕虎摩亜屈が閃光剣を託された経緯、荒駆主が若殺駆頭の剣を一目見て閃光剣だと察することができた理由、 初代百士貴と百鬼丸だけが「風林火山編」の時代に姿を見せなかった理由など(百士鬼改の母親は登場するにも関わらず)。
あと大旋鬼の漫画を読んで感じたのだが、 SD武者ガンダムシリーズは正義の味方キャラの数に比べて敵のバリエーションが少ない。 「武神輝羅鋼編」の時代にも「風林火山編」と同じ璽悪が出るというのは流石に寂しい気がする。 時代が異なるので同一人物とは思えないのだが、どうなのだろう。 (この璽悪は神田先生筆の「武神輝羅鋼」本編にも登場している。)
過去にケチをつけても詮ないのは分かるし、シリーズを展開する上で様々の大人の事情があったのも想像できる。 それでも気になってしまうのだ。好きだから。 補足。 第2巻は2012年12月21日発売で「天下統一編」「地上最強編」が収録され、 第3巻は2013年1月23日発売で「伝説の大将軍編」が収録される。 そしてこの他にやまと虹一氏がボンボン誌上その他の場所で描いてきたSD武者ガンダムものの漫画が多数収録されるそうである。 現時点でラインナップはまだ不明だが、少なくとも「青斬抜刀隊血風録」「武神輝羅鋼番外編」「大時空SD戦国伝」は確定のようだ。 ファンならば間違いなく続巻も『買い』であろう。
|