映画を見ていなくても、午後の友人との語らいや日曜日の 朝食の時に低めの音量でCDをかけると、そこはのんびりとして スノッブなイタリアの中の上家庭(主人公は自宅で精神分析医 奥さんすごい美人、ティーンエイジの息子と娘。) こういうピアノの音はどうやって出すんでしょうね、現代の イタリアの香りが漂います。
イタリア映画「息子の部屋」。港町の精神科医が主人公。彼の診察室にやってくる患者たちや、彼自身、彼の家族の悩み、苦しむ姿を見ていると、イタリア人だろうが、何人だろうが、悩みや苦しみはあるのだなあ、と改めて感じた。なんとなく、イタリア人って悩みなんかなさそうに見えるのだが、それは偏見なんだろうな。でも、少なくとも日本人よりは人生の楽しみ方を知っているような気はするのだけど・・。 夫婦と子供二人の家族は、子供の友達の家族や、仕事仲間、などに囲まれて、特に不自由なく、スポーツを楽しみ、会話を楽しむ平凡だがそれなりに幸せな生活を送っている。そこへ突然訪れた息子の事故死。 そして、精神分析医が、息子が事故死した後は、自分自身が分析される人間になってしまっているところが哀しくもおかしいところである。ちょっとクールで人の世の悩みからは超越したような人間だった主人公が、やっと人間的になったなあ、と私は感じた。 最後に出てくるリビエラ海岸の景色が哀しく温かい美しさだった。
「息子の部屋」をイタリア語の勉強のために購入しましたが、 最近の映画の中で一番好きな映画になりました。 ダイビングの事故で息子を失ってしまう精神分析医の父親を中心とした 家族愛が心をうちます。 ‘あの時、ああすれば良かった、こうしていれば…'と自分を責めながら 生活を送らなければならない辛さが痛いほど伝わってきて グッと熱いものがこみあげました。 家族の一人を失った時、家族それぞれが違った悲しみのあまり バランスが崩れてしまい、少しづつ新しい形を作っていく。 見終わったあととても穏やかな気持ちになれる映画です。 イタリアの日常生活と淡々と流れる音楽も心に響きます。
アクアリウムをインテリアに溶け込ませるノウハウが美しい。しかし、夏場限定で観賞魚が死滅してしまうような非実用性も否めない。水槽の中は一刻一刻変化するもので、ここで紹介されている例では長期間飼育するのはかなり難しいのではないかと思った。
息子の突然死とそれを抱えて生きていく家族たち。私は家族を突然死で失ったことがある。そういう人間から見てもこの作品はすばらしい。虚構とは思えない演技がおおい。驚く。また、音楽がいい。ラストシーンで流れる「BY THIS RIVER」は秀逸。このラストシーンには衝撃を受けた、三十回、繰り返して見ました。 監督・主演をこなすモレッティは、代表的な左翼の知識人。最近では、政治的発言もおおい。将来はオリーブの木の代表にでもなるかな?
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