主人公デオン=リアはヒーローでありヒロインである。 貴族の生まれで、実直な性格で、類まれな美貌を持っている。 剣に秀でており、それをもって化け物や魔力を持った「詩人」たちと戦う。
しかしこれは主人公を褒め称える話でも勧善懲悪の話でもない。 それぞれの矛盾を孕んだ思想が牙をむきあい、それに己の身を傷つけられた主人公の 最後の選択に、今までこの話を見守ってきた者として心から拍手を送りたい。
アニメとしてではなく作品としてシュヴァリエが大好きです。
個人的にアニメ、小説、漫画の順でこの作品に触れました。
3メディアそれぞれで、違うストーリー展開を、というコンセプトのようですが、
この小説に限って言えば、漫画版のストーリーの過去の部分という色合いが強いと思います。
(今後小説も独自に続いていくのであれば、また違ってくるのだと思いますが)
漫画版の端々で触れられているけれど、詳しくは語られていない過去に興味がある方は
こちらも読んで損は無いと思います。
アニメだけ見ていると解りにくい、言葉やアナグラムについても詳しく書いてあります。
単独で読んでも面白いとは思いますが、話の終わりが、いかにも続きのありそうな感じなので
気になる人が多いと思います。
小説→マンガの順で読むとすっきりするのではないでしょうか。
19世紀が幕を閉じ、新しい価値観が台頭する20世紀始めのイギリス、巡り会った2つの家族の運命が錯綜する様が、女性の生き方を中心に描かれています。 裕福で進歩的思想を持ちつつ、いつもフラストレーションを抱えている美しい母キテイーと、思慮深い娘モード親子のコールマン家、伝統的な価値観を有し、キテイーに対し密かな劣等感を抱く母ガートルードと、感情的な美しい娘ラビーニア親子のウオーターハウス家。偶然にも両家は墓所が隣合わせで、女王の死を悼み訪れた墓地で巡り会います。 墓地は重要な舞台となり、ウオーターハウス家の墓所に飾られた天使像がこの物語の象徴となっています。 娘達は成長と共に友情を育んでいきますが、母親どうしは微妙な感情を互いに抱きつつ年月が遡ぎ、コールマン家の母キテイーの心の内部の崩壊が、両家の現実に様々な波紋を呼び起こしていきます。 子育てと自己実現のための仕事の両立など、悩める現代女性の心情に共鳴する一冊です。
この喜歌劇は、おそらく日本ではお世辞にもよく知られているとは言えない作品でしょう。今のところ、CDやVHSも含めて、これが唯一の国内盤だと思われます。しかし、実際に聴きはじめてみると、楽しく美しい旋律が次々と続き、音楽的には『天国と地獄』や『ホフマン物語』などの、この作曲家のより有名な作品よりもむしろずっと親しみやすく感じます。いかにもフランス風のエスプリの効いた舞台演出もなかなか好感が持てます。私たちオペラ好きは、普段どうしてもまずドイツとイタリア、それに次いで英米のオーケストラに関心が集まってしまう傾向がある(私だけか?)のですが、このリヨン歌劇場のオーケストラのうまさにはすっかり脱帽しました。美しき女流指揮者クレール・ジボーの颯爽たる指揮ぶりも素敵です。
TVで、ダンサーのシルヴィー・ギエムが、彼女いわく「父親が女の子を欲しがったために、男の子として生まれたのに、女の子として育てられてられた」と、シルヴァリエ・デオンになりきるために、つぶやいているシーンがあって、わたしは、このドキュメントによって、「ベルばら」のオスカルの逆をいくような人物がいた事を知りました。検死解剖の結果は男性だったそうですが、かなり興味深い人物だと思いました。
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