松竹新喜劇 藤山寛美 DVD-BOX 十八番箱 (おはこ箱) 1
本当に至福の一時でした。。。。
今、ちまたで放送されている分けのわからない関西弁もどきとは一線を画す、
本物の関西弁。そして、優雅な所作。。。
最近はなかなか(TVなどでは)眼にすることのない、
日本人らしい、思いやりの言葉。。
「両親の為に」と購入したのですが
懐かしさのあまり先に見てしまいました。
ここまで感動するとは予測もせずに・・・。
主役の寛美さんだけでなく、脇を固める俳優さんたちも本物。
果たして、今の時代にこの芝居を再現できるだけの精神があるのか。。
どにかく、幸せでした。
久々に、本物に触れる幸せ。
日本人に生まれて良かったと思えるひととき。
また、あの頃に生まれ育ちたいと感じてしまうのは
今の日本が余りにひどいせいか、
それとも、
あの頃は何も知らずに幸せだったからか・・・。
何であれ、生で見てみたかった・・と思える舞台です。
DVDのプレイヤーと、このセットをプレゼントするのは
ささやかながらも親孝行になるかな・・と思える一品です。
藤山寛美さん、仲間の俳優さんたち、脚本の方々、ありがとうございます!
あの頃、当たり前の様に見ていた番組が、
こんなに貴重な、価値あるものとは気づかずにいました。
ハリウッドの(旧)大作が一本1000円で買える時代に、
このセットは決して安くはないですが、それだけの価値があると思えました。
英語の字幕をつけたらきっと、
海外でも評価される舞台だと思います。
新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)
若い人にこそ読んで欲しい、と思ったら文庫で新たに上下巻でましたね。これが、作者「中井英夫」が生きていた間にもっと売れていたらとおもうと胸が痛みます。人間の空しさを書いた本で、前にNHKのBSで、深津絵理、中村トオルなどが出演して映像化もされたのを思い出します。(再放送されないかしら)
これを読んで、シャンソンを探したりと、懐かしく新しい発見も出来るとおもいます。
推理小説でありながら、人間の心理を本当に書いた希有な名作だと思います。
新装版 とらんぷ譚 (1) 幻想博物館 (講談社文庫)
アンチ・ミステリの大作「虚無への供物」で著名な作者の連作短編集。「虚無への供物」のイメージが強いが、本来は本作のような幻想性・夢幻性に満ちた短編が本領とされる。13の短編が収められている。澁澤龍彦氏の解説も楽しめる。
各々の短編は一応独立しており、それぞれに趣向が凝らされているが、緩やかな連鎖がある。登場人物達の言動の虚実の見せ方、時間の遡行等の手法が巧みに使用され、単にオチが良く出来ていると言うレベルを越え、読む者を幻惑感で包む。「地下街」を初め、妙にノスタルジックな印象を与える作品が多いのも特徴。なお、この「地下街」は澁澤氏が「この作品について、なにも語りたくない」と褒め言葉を放っている程、錯綜感と懐古趣味が入り混じった秀作。澁澤氏も述べているいる様に、一作一作を紹介するのは野暮な内容で、兎に角読んで見て下さいと言うしかない作品揃い。
深い理知に基づいて書かれていながら、読む者を幻想と錯誤の世界に引き込む佳品。