吉村公三郎監督には「夜の〜」というタイトルが3つあり、これはその二つ目です。水商売の世界を描き、女の戦いを描く風俗もの。亡くなった船越英二の代表作の一つとしてテレビにスティール写真が何度も出ていました。
なお、クレジット表示にはないですが、田宮二郎が楽士役で登場します。台詞もちゃんとあります。当時まだ柴田吾郎と名乗っていました。
あとは「夜の素顔」もDVDにして欲しいです。これだけスコープ画面で内容は舞踊の世界でした。
※帯の広告文の転載 哀しく美しい至上の愛 年上の女との恋に命を賭けた歌舞伎役者の儚い生涯。華やかな舞台と複雑な人間模様。巨匠川口松太郎入魂の書き下ろし傑作長編
恋文 私は生涯に一度だけ男に惚れた経験がある。先代尾上梅幸の実子尾上栄三郎氏が惚れた相手だ。生きていれば梅幸を名乗ったであろうが二十六歳で死んでいる。六代目菊五郎の相手役をしながら将来の大成を期待されつつ世を去った。舞台姿の可憐な美しさは今でもはっきり目に残っているが――一度は書いて置きたかった恋文でもある。 ―あとがきより―
文庫及び新書共に絶版または重版未定古書店を巡っても川口松太郎に出遭うことが出来ず、図書館にてお取り寄せ。古い本だし、本人含め関係者が亡くなっている以上、この本に書かれていること全てが真実だとは言い切れないのだが、事実だと思って読めば読むほど面白い。
川口松太郎氏が小説家になる前に講談速記の悟道軒円玉の速記の手伝いをしながら2階に居候をしていた頃の自分と円玉と出入りする人々を巡る人情馬鹿を綴った短編集。悟道軒円玉は松林伯円門下の講談師だったが、体が弱かったことで芸人をやめ、速記術を覚えてその頃の新聞雑誌に講談速記の連載を試み成功した人だそうだ。松林伯円は小猿七之助や鼠小僧などの講談を作った名人で、単なる芸人ではなく、立派な創作家だった。深川・森下に住み暮らしていた頃が全盛期で主にその頃のことが書かれている。『紅梅振袖』『春色浅草ぐらし』『七つの顔の銀次』『彼と小猿七之助』この四編が好みです。
何と微笑ましい会話でしょうか。映画もエッセイも高峰秀子さんは最高です、
長谷川一夫の日蓮と違って、こちらは日蓮の生い立ちから亡くなるまでを描いています。 萬屋錦之介演じる日蓮は、激しく感情を表に出し、情熱や思いを全身で表現しており、一夫とまた違った日蓮像を作り上げています。 ですが、弟子や彼を崇拝する人々に向ける暖かい眼差しと慈愛は、一夫も萬錦も変わらず、観ている私も熱くなるものがありました。 この作品の名場面と言えるのが、日蓮が処刑されそうになる時、彼が法華経を唱えると突然、超常現象が起こるシーンで、彼のアップで背後が神々しい光に包まれる場面。この場面を観た時「おいおい!錦ちゃん光っちゃったよォ!!」と思い、素晴らしい!と感じつつ、正直笑ってしまいました。 この画は本当にイイですよ!!
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