赤い糸か。そんなものはない。これは断言できる。
ふとしたきっかけで不倫関係に陥った渡部。そして、不倫相手の秋葉には、15年前の殺人事件の疑惑が浮上した。
ありえないぐらい一途で、報われない男の愛を「白夜行」や「容疑者Xの献身」で描いてきた東野氏であるが、本作の主人公は全く毛色がちがう。いわゆる普通のおじさん。かっこよくもなければ、強い決意も、覚悟もない。でもその分だけ、彼の反応には共感できる部分が多い。
不倫に陥ったまじめな男の心理が非常によく描かれている。相手への誠意を尽くそうとする気持ちと、安定した生活を捨てて、奥さんとの修羅場を選ぶことをためらう気持ちとの葛藤。身につまされる話だ。
ミステリー部分は、まあそんなものかな。という程度であるが、不倫の心理描写の部分は、番外編の「新谷君の話」も含めて、非常にリアルで面白い。
東野氏の他の作品のような「熱い」思いはないが、これはこれで楽しめる作品であった。
まず読みやすい! 実践的・・・とにかく何でも使ってみようっていう姿勢が真剣で楽しい! 最終章で述べている、みんな自分の努力を認めてほしいっていうのは至言! 僕も自分の人生を他人に認めてほしいですから・・・ 保護者も子どもも教師も、その点についてはみんな一緒なんですね!
ぶっちゃけて言えば、小山田圭吾サウンド目当てで買いました。
サウンド的にどうなるのかと思ったんですが、一言でいえば、
最近の小山田サウンド同様の音響系です。
ゲーム自体が音楽というかサウンドの連続で構成されていて、
キー操作、連鎖、クリア、と次々と聞いていくとちょっとした
トリップ感覚を味わえます。時間を忘れます。
ゲームそのものですが、面が進むにつれ色数が増えるので、
面が進むと連鎖がおきにくくなります。色の出現に法則性が
あるとも思えなかったので、面が進むにつれて連鎖が減り、
クリアに関しては運だのみの部分が出てきます。
この辺のゲーム性はもうちょっと詰めても良かった気がします。
クリア自体は、ピンチになった際に、四角いアイテムブロックを
ワザとグレーパネルにして、グレーパネルを全て消すという小技
さえ覚えれば大抵の人がクリアできると思いますので、ぜひクリア
してエンディング曲を聴いてみてください。
普通、小説を読むということは、書いてある内容を鑑賞することであり、読者は受身であり作家は書く文章だけで勝負しなければならない。そうした常識を覆し、書かれていないことこそ最も重要であり、読者は想像力を総動員してそこで何が起こったかを推量するという、いわば読者の想像力が主役の小説である。革命的な手法ではないだろうか。
「白夜の中を歩くような人生」を生きる男と、彼を「太陽のかわり」として「陽のささない人生をやっと生きてきた」女の、出会いから別れまでの約20年間の魂のふれあいをを綴る作品だが、二人が実際に会っている場面は一度もなく、彼ら二人による完全犯罪の被害者たちの経験のみを語り、その背景にある二人の瀕死の魂の結びつきを読者に想像させる。そのうちに、読者にも次第に主人公の影にもう一人の主人公が寄り添っているのが見えるようになり、胸を締め付けられるような思いがしてくる。彼らを負う刑事が「君は本当に『一人』なのか」と思わずつぶやくように。 また、少なくとも4人の殺害、強姦、窃盗等の凶悪犯罪を描きながら、ミステリーでなく清冽な純愛小説の読後感を与える点も特異だが、それは、幼い頃、二人が大人の酷い仕打ちを受け「魂を奪われ」て以来、「自分たちの魂を守る」ためにしてきたことだと納得できるからである。 さらに、1970年代から90年代の、オイルショック等の事件やヒット曲等の社会風俗が丹念に描写されている点や、電気工学科出身の作者らしくコンピュータ・ソフトの偽造、ネットワークへの不正侵入など、IT技術の進歩に伴う彼らの犯罪の進化も緻密に描いている点も、特筆に価する。鋏、切絵細工、小物入れ、キーホルダーの鈴といった小物使いのテクニックも出色。 自分もこの作品に参加したのだという快い疲労感とともに、聖夜のラストシーン、ジングルベルの音がいつまでも読者の胸に響く。果たして二人の魂は救済されたのであろうか。
小泉さんチャレンジしてますが、いいですね。歌も声もよくできてると思います。
|