もとまろは当時、青山学院大と短大に在学中の3人の女子大生グループで、ヤマハポピュラーソングコンテスト(1971年第3回作曲コンクール入賞曲)をきっかけにデビューを果たしました。
もとまろの歌唱はとても哀愁があり、泣きそうなくらいに切ない歌詞を淡々と歌います。フォーク全盛時代で、そのメッセージ性が当時の若者には受け入れられたわけです。大学紛争を経ても何も変らなかった1970年前半の社会の閉塞情勢とも関係があると思います。
歌詞の中の「偽りの花嫁」や「教会」のシチュエーションは、有名な映画「卒業」を連想させますが、残念ながらダスティ・ホフマンのように花嫁を抱えて逃げずに、「サルビアの花」の主人公は花ふぶきの中を転びながら泣きながら追いかけました。
また、「ニュー・サディスティック・ピンク」の略称がグループ名になったNSPの1973年のデビュー曲「夕暮れ時はさびしそう」は、落ちこんでいた時に聴くと、その心情がとてもよく分かる歌でした。
「フォーク」の世界をそのまま体現するような懐かしさと温かさをもった3人組のグループです。
特に天野滋さんが書く抒情的な詩と素朴なメロディに特徴がありましたね。あの時代のどこか湿ったような空気と青春特有の孤独感がよく表現できていました。
あれから30年以上経ち、これらの曲を覚えている人も少なくなりました。
ただ、青春時代特有の甘酸っぱい思い出を彷彿とするようなこれらの収録曲は「エヴァー・グリーン」の輝きを今も放っています。
SMAPのSHAKEやライオンハート等の作曲家としても知られるコモリタミノル氏のベストアルバム。最近は作曲家やプロデューサーとしての仕事が多いコモリタ氏ですが、これからも、良い作品を他のアーティストの提供するだけではなく、自身のアルバムも出してほしいですね!
不満満載の作品ですが、個人的にはこのシリーズの中で一番聴きごたえがある。 それはそうだ、前作の5では5大会分の音源からの選曲なのに、当CDは倍の10大会分。 それも、23〜26・28回の分が多くて、それ以降はグランプリだけの回もある。 そんなに歪な選曲されるほど、質的にエントリー曲のレベルが落ちたのか?
「ふられ気分でRock'n Roll」がヒットし、さそり座が注目され、新居昭乃の登場で終えた 28回大会以降は、人気も凋落していったのか、いつの間にかポプコンは消えた。 まるで、役目を終えたように、ポプコンが単なる過去の遺産として、思い出の音源をこうし て金儲けの材料にされている気になってしまうのは、偽善だろうか。 この6セット目のライブヒストリーは、10大会分を詰め込み、強制終了された気持ちだ。 未だに、全本選出場者のリストさえ公表せず、当シリーズについてのレビューすら入れずに 歌詞だけ載せるという手抜きぶりを晒しているのだから、わたしにはヤマハのがさつな仕事 の仕方にヤキモキしたっていいだろう。
さて、内容だが、ずぼらなヤマハにしては、佳曲が並んでいる。 どうしても、ポプコンの魅力に惹かれて本選会に出向いた第26回大会に注目してしまうが、 他の回も、よく出来た曲が多い。 だが、前述の繰り返しになるが、10大会分では消化不良である。 全30曲中、グランプリに11曲分取られ、19曲分の新鮮な選曲が難しいだろう。
今でも人気のある「花ぬすびと」「窓ガラスのへのへのもへじ」は外せないし、前作が話題と なったHATO-POP-POの「あなたにマフラーを編むために」、現在でも活躍中の新居昭乃も。 また、森川美穂の前身の榎並美穂も注目のひとつだ。
中でも、グランプリ曲の注目は、シングル盤とアレンジ違いの「待つわ」のあみん、圧倒的 な力作「雨の日」の辛島美登里。 「雨の日」はスタジオ録音がCD化されているが、ライブでは緊張感の張った名演が聴ける。
これで、ライブシリーズは完結の意向であろうが、3作目からは曲は揃っているとしても、 不満の残る内容だ。 何らかのリーズナブルな形で、例えばネット配信するくらいはしてくれても良いと思う。 もっと聴きたい曲が、まだ沢山眠っているのだから。
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