初めて出会ったのは8年前。クレイジーキャッツの音楽センスに驚かされるばかりか、曲にあわせた振り付けに「まるで打ち上げ花火を始めてみた子供」のように感動しました。あれは誰が振付けたのでしょう?今でも時々「もしも10億円あったなら・・」を思い出しては、もう一度ビデオを見たい。我が物にしたいと願っています。
はちゃめちゃな設定、ナチスが敵役で、今ならなかなかこんな映画はできないでしょう。なにがあっても前に進んでいく植木等を中心にいい味だしているクレイジーの面々。こんな不景気な世の中にこそ、エネルギッシュでばかばかしいクレイジーの映画がおすすめ。ごますり男とか無責任男など。
まあよくもこんな仕事をしてくれたものだ。 正に国家的大業であると言っても過言では ない。 各関係者に挨拶回りどころか、「参詣」したい所存である。 今までに出された 「クレイジーキャッツトラックス」「同 完結編」に加え、各メンバーが出演する東宝以外 の他の配給会社(日活・大映・松竹)からも音源を集めるという、正に難中の難事を 見事にやってのけた歴史的快挙だ! まあそれにしても、映画『竜巻小僧』での「CRAZY BEAT」や『ちんじゃらじゃら物語』の「ちんじゃらボッサ・ノバ」までCDに収めるとは ・・・、もう正気の沙汰とは言えまい。 1960年公開の日活「竜巻小僧」から’62年東宝「クレージー作戦 くたばれ!無責任」 までの53曲を1枚目に、’63年の「香港クレージー作戦」(東宝)から’65年「続・西の 大将 東の大将」(同)までの49曲を2枚目に収めた計102曲の超ボリューム版!! かけているプレーヤーが吹っ飛びそうなぐらいの、超ド級の内容となっている。 個人としては「さのさ~これが男の生きる道」(1枚目)と「無責任数え唄」(2枚目)を 推薦する。 植木等の名調子とC調なゴリガンぶりを遺憾なく発揮したこの2曲を聴くと 自然と腰が動き、手は頭の上で音頭を踊っている。 ここ最近ガッツリいかないとか、 悩みが多くて・・・などと落ち込んでいる人間にも特効薬となること間違いなし!! 全てが綺麗サッパリ発散・解消され、次の日から正に植木等そのままにスイスイ世の中が 渡れるようになるだろう。 勉強のお供に、そして通勤のお供に持って来い!のこの2枚、 とくとご静聴、いやご騒聴されたし!!!
往年のクレージー映画のエッセンスを、歌を中心に大滝詠一がサンプリングしたいわばクレージー・ワールドの入門編。 当時大滝は「イエローサブマリン音頭」などの温故知新ネタ路線を爆走中で、それと東宝の思惑が見事にかみ合い、本作が生み出されたことは幸福としか言い様が無い。 クレージーの歌は多くが音源として流通しているが、実際の映画の中で見るとその魅力が一層際立つ。 植木等が人見明と脱力感あふれる表情で踊りまくる「シビレ節」や、ラスベガスの大通りを交通規制し過剰に踊り歌う「ハローラスベガス」などは、まさに映像でしか味わえない強烈なインパクトだ。 特に「ハッスル・ホイ」で「ハッスルハッスル」と連呼し万歳しながらカメラによってくる植木等のイってしまった表情は最早ホラーの域である。 制作当時再発売された作品に重点が置かれた大人の事情のせいでダレ気味の後半や、例えば「大冒険」の「辞世の歌」等の、物語の前後が判れば百倍笑える隠れた名曲が漏れていたりと、今となってはいささか残念だ。 しかし、クレイジーが最も輝いていた時代のエッセンスが詰まった名編集である事には間違いない。 入門編とは書いたが、50周年を迎えて本来あるべき全作品DVD化の動きが不透明な状況下では貴重な情報源である。 クレイジーの歌には映画とシングルカットで歌詞が違う曲が多数有り、マニアを自認するなら是非見ておく必要があるだろう。
最近、邦画の評価が高いですが、クレージー全盛期にはとても足元にも及びません。日本に活力のあった1960年代の良さが伝わってくる納得の1冊です。
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