いちばんのお気に入りは、表題作「夏の蜜」です。教師としてのジレンマ、男との不安定な関係から逃げるように、主人公は養蜂のアルバイトのため北海道を訪れます。そこでの生活のたくましさがしっかりと描写されていて、「生きる」ことの根本的な部分に触れた気がしました(なぜか、荒川弘の『百姓貴族』を思い出したりして)。人間って、余計なことをいろいろ考えてしまうけれど、生きていくって、もっとシンプルなことなんだなと、読んでいて思いました。そういう健全さを味わえる小説は、最近少なくなっている気がします。だから、「夏の蜜」を読んで、とても清々しい気分になれました。 「面影荘へようこそ」は、ラストのオチに、思わず膝を打ちました。こういうの、好きなんです。 「月の虫」は、作中での月下美人の存在感が印象に残りました。どの作品も、植物や虫が名脇役となっていて、一種独特の雰囲気を醸し出しています。 静かな夜に一人、じっくりと味わいたい作品集です。
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