何故、このドラマがDVD化されないのでしょうか。
すごくお洒落な物語で、その劇中に流れるこれらの
曲は全て名曲です。
現在でもたまにTVでBGMとして扱われたりする程の
色褪せないアレンジとメロディ。
「流行」ばかりを大事にしていたら「本物」が生まれ難く
なるばかりなのに・・。
いつの日かこの名盤が日の目をみて、このドラマがDVD化される
ことを切に願って敢えてここにレビューを残します。
NYという場所でしか成り立たないような、三人の物語。 石橋貴明?三人芝居の一人が?大丈夫なの?飯島直子ってみんなのお姉ちゃん風すぎない?このキャスティングって......どうなの? 杞憂でした。さすがは三谷幸喜というしかない、演技の好悪さえも勘定に入った、これで正解という配役でした。 三谷さんによると視聴率の非常に悪かった作品らしく、確かにOA当時、周囲にこれをフォローしてた友人はいなかったと記憶してます。でも。 こういう風に、なんというのかな、暗黙の折り目正しさを弁えた恋、展開のおそろしく遅い恋は、恋愛至上・恋愛なら何でもありという今のいわばアニマル的な恋愛状況にあって、新鮮かつ示唆的です。恋は何も無人島の二人きりの事件ではなく、恋人以外の大切な人や大切な事柄をも内包する豊かなものであるべきなんじゃないか。笑いと、同数かそれ以上の涙とを交え淡々と進行しつつ、このドラマはそう語りかけます。 サントラがまた、ドラマと独立して聴いてもすばらしく、旅先のホテルのBGM用に、常に持って出かけています。お勧めです。
児童小説家、笹生陽子の一般向け小説。
怪しげなクスリをネットで買おうとした中学生の岩国は、それを売ろうとしていた小学校の同級生でワルの相沢と再会してしまう。それ以来、相沢とその友だち御園との三人の関係がはじまり……。
読み始めると止まらない。というか、ぐいぐい読まされて、気づくと本が終わっている。そうさせられてしまう作家というのがいる。 僕にとっては笹生さんはそういう作家だ。 単純に「読ませる力」作家の力量が凄いんだとも思う。
このお話は一般向けではあるものの、やはりどこか児童小説の匂いがする作品だ。そして、その匂いは決して嫌味なものではない。
ワルと呼ばれる男の子にだって「いい面」は確実にある。ヤクザと呼ばれる人たちも同じ。そして、誰だってそのいい面と付き合えれば、相手のことを嫌いになったりはしない。 そういうことを押し付けではなく、作品は自然と語ってくれる。
もともと、笹生さんは人物造形がとても上手な人だ。そして、この作品でもその傾向は存分に生かされている。 とにかく、読み終わって暖かい気持ちになる。登場人物ともう少し一緒にいたくなる。 これはもう才能なんだと思う。
この人の書くものが僕は大好きだ。
※章立てで主人公が変わる物語の展開は、面白いものの、この人の作風にはちょっと合っていないかもとも思った。ストレートに一本の物語を進めたほうがもっと面白かったのではないだろうか。
※もうひとつ。昔やっていた三谷幸喜さん作の「今夜、宇宙の片隅で」というドラマと何か関係があるのでしょうか。不明です。
若い頃の三谷の作品、「アパートの鍵、貸します」みたいな話を作ってみました、というような作品で、三谷本人を投影してか、西村はやたらどんくさい男を演じている。最後、西村演じる小菅は愚鈍なまでの善人という役柄となりめでたく結ばれるわけですが・・・それではおとぎ話ですよね。「オケピ!」「コンフィダント・絆」のときのような残酷さがない。とりあえず彼のファンなら参考に見ても損はないですが・・・自分としては3巻までがよくできているドラマだと思います。
西村雅彦、飯島直子、石橋貴明のほぼ3人劇で、わたしはテレビで見た後、ビデオで2回も借りてこのドラマを見た。三谷幸喜の作品では珍しいラブコメだが、西村雅彦演じる耕介がとてもせつない。真琴(飯島直子)しか見えずに周りが見えていないため、しくじりどおしなのが笑えて悲しい。特に真琴似のコールガールを部屋に呼んだ際、自分に恥じ入りドアの前で、できない英語で「Go Home!!」と叫ぶシーンは感動だった。このシナリオ本は映像とだぶらせて読めるのでよい。 三谷幸喜の作品の中で一番好きな本だ。
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