戦後の高度成長発展の音楽版みたいで楽しかった。
ばりばり「弾ける」という自信と欧米に果敢に挑戦する気概が虚飾なく初々しいまでに表出されており、とても新鮮。師事した先生や、往時の大音楽家も容赦なく批判するあたりは、まさに生意気としかいいようがないが、これが青春の気概というものだろう。
反面、不慣れな海外での苦労や屈辱なども正直に描かれている。ベルリンの日本人音楽家を牛耳っていた女性や、彼女に紹介されたマネジャーにあれこれ指示され、カラヤンなどの実力者の楽屋に押しかけるなどなど「業界」デビューまでの現実も赤裸々で面白い。また、駐仏大使夫人や大使館員など、地位を笠に着てクラシック音楽を社交や権威のための使い捨てにする人びとの実像も遠慮容赦なく描き出していている。
日経新聞の「私の履歴書」に加筆したもの。これに、欧州デビュー直前の57年の日記が後半に織り込まれている。分量が不足だったのかとってつけたようだが、この日記がとても面白い。
この日記は60年に刊行された。この内容で公刊されたこと自体ちょっと驚きだ。日記でこきおろしたベームやカラヤン、シェルヘェンなどの大指揮者に気が引けたらしく、その時の「あとがき」で『出来、不出来、適、不適は大音楽家にも常にある』などと言い訳している。
それほどこの日記は赤裸々で青春の気概にあふれている。
トリルやモルデントのつけ方が基本に忠実。
他のピアニストの様に、独自のトリルを入れていないから、手本にしやすい。
特に、春秋社の楽譜を使って練習している人は良い参考になる。
作品として聴く場合は面白みにかけるので、純粋に演奏を楽しみたい人には向かないかも。
満足です。 朝比奈隆さんのブラームスの世界をたっぷりと堪能させて頂きました。 中でも藤川真弓さんとのヴァイオリン協奏曲は圧巻です。 ライブでここまで弾けるヴァイオリニストが世界に何人いるのかと 思わせるだけの圧倒的な演奏でした。正に感涙ものです。 90年のわりには映像が少し荒いのが残念ですが、演奏の素晴らしさを 損なうようなものではありません。まさに気骨のある演奏です。
1200円程度の期待をして購入したのですが、ペダルの踏み方など、高度な面まで記入されていて、非常に得した気分でした。この楽譜なら、買って損はありません。
「近衛秀麿」という名前や、全く指揮者っぽくない顔の印象から、実際の演奏が話題にならない彼だが、たまたまBSフジでこの演奏を見て、ぶっ飛んだ!!顔と名前の印象と正反対!即DVDを購入!
シベリウス演奏史上に残る名演、と断言出来る。 この時期の日フィルの映像/録音に比べても、違うオケ?と思うくらいのサウンドのまとまり、そして管楽器の上手さ! (この時期の日本のオケって、他の録音だと金管が上手くないんですけど、どうしてどうして、この演奏は素晴らしいんです。)
指揮者の要望であろう倍管の大編成。にもかかわらず、バランスの完璧さと表情の豊かさ、そして何よりメチャクチャ若々しさと前進力で弛緩する所が無い。歌もぐいぐいと迫り、指揮もメチャクチャ端正で上手すぎる! 彼は本物のプロフェッショナルだ。並の人間ではない。 神の域だ。
存命中 「近衛秀麿に比べれば朝比奈は子供みたいなもんだ」 と誰かが言ったそうだが、その言葉が大げさではないことがこのDVDからよくわかる。 園田高弘氏の「皇帝」も特大の名演。 買いましょう。宝です。
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