なんでこんなに歌が上手いんだ!
でもこの人の場合は、一般人には出せない高音域の声が出せるとか、絶対音感とかそういう数字の世界じゃないんだ。本当に心地よく、すぅーっと自然に入ってくる感じかな。それでいて聞流せない、和んでいるようでいて、ある種のテンションの高さがずっとある。
それにサウンド全体が繊細でやわらかく、包み込むような優しさがある。マーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールド、ジャンルは違うがボブ・マーレーも素晴らしいが、この落ち着きと優しさはこれからも私の心の支えになるだろう。
DISC1ではラブバラードの定番とされるポピュラー曲が勢揃いしていて、ナタリー・コールやベット・ミドラーなど今も人気を誇るアーティスト達が情感たっぷりのナンバーを繰り広げています。でも個人的にはDISC2の方に軍配が上がります。何といってもクラシックの中でも名曲ばかりが収録されていて、どの曲も雰囲気を盛り上げるBGMとしてぴったり。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団から今大人気のフィリッパ・ジョルダーノまで、クオリティの高い演奏がたまらない魅力です。
卓越したセンス以上に彼自身が持っていた、心の温かさがにじみ出るようなアルバムです。忙しい日常で見失いかけていた大切なものを思い出させてくれるようなアルバムです。
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