話題性から「A.I」の影に隠れがちですが、作品としてはこちらの方がよくできています。よくあるSFピノキオではありません。 人間とは何なのかを、ロボットという鏡に通して見せてくれます。 人間のなかには、人間でないような酷い奴も居ます。では、人間より人間らしいロボットが生まれるとどうなるのでしょうか?アンドリューは人間の持つ「愛」などの感情を感じます。そんな彼を異常として認めようとしない社会に認めてもらうため、彼はどんどんと改造をくり返し人間に近づいていきます。
ロビン・ウィリアムズ。 間違いなく名優の一人だと思う。 「いまを生きる」の熱血教師役での抑えた演技は秀逸だったし、「グッドモーニング・ベトナム」での従軍DJ役は、彼の才能を最大限に発揮させる作品であったと思う。 子供と過ごすために女装するおやじの役とか、サイコサスペンスの悪役とか、作品と役どころを選んでいるとはとても思えず、演技の幅はとても広いのだが「ロボット」とは。
ロボットスーツを着て演技したという記事を読んだ記憶があり、アンドリュー登場時から彼が演技しているとしたら、彼の演技力は「異常」だ。 ロボットの演技を評価しようにも、実際のロボットの動きといえばアシモのレベルしか見たことはないわけだから、適切かどうかは判断できないのではあるが。 ただ、ロビン・ウィリアムズの演じる人型ロボットの動きは、見るものがイメージするロボットの動きを損ねるものではないと思う。
131分と比較的長い作品であるが、「人とは?」という「根源」を突くテーマを、上質のユーモアで仕上げた作品であり、冗長さを感じるところはなかった。
「シンドラーのリスト」のエンベス・デイヴィッツ、「評決の時」「三銃士」の一流バイ・プレイヤーであるオリヴァー・プラット、「ジュラシック・パーク」のサム・ニールと回りも渋めの役者さんばかりで、演技で違和感を覚えるところはない。
小さい頃の"リトル・ミス"アマンダを演じるハリー・ケイト・アイゼンバーグ。 なかなか可愛らしい上に演技も上手いのだが、その後サリー・フィールド監督の「ビューティフル」に出たくらいで、見かけなくなった。 残念ではある。
家政用ロボットとして製造されたNDR114がマーティン家に配送され、末娘のリトルミスにアンドリューと名前を付けられてから、200年にわたる心の旅が描かれています。特異な才能を発揮し、得た収入で自身をアップグレードして、長い戦いの後、権利も獲得していくのですが、彼が本当に望んでいたのは何か。高性能のロボットが心を持ったらもしかしたらこういうことも、と考えてしまいます。SFになじみが薄い人でも読みやすい話だと思います。
とてもキレイな曲です。かの有名な"My Heart Will Go On"のライブ版も最高です。
ジェイムズ・ホーナー(James Horner)という作曲家の魅力を見事に伝えるのが、ここに収録されているThe Gift of Mortalityという作品である。
6分程の作品であるが、そこには、深い静けさと優しさを湛えた眼差しで、人生の最後を見つめる作曲者の目に映じる生の無限の輝きと愛おしさが綴られている。
1980以降、ハリウッドの映像音楽の作曲家として、第1線で活躍をつづけるホーナーであるが、このところ、残念ながら、職人性だけが目立ち、その根源的な創造性の減退を危惧させる作品がつづいているが、しかし、その実力はやはり突出していると思う。
シンプルな旋律のなかに無限のニュアンスを籠めたこうした作品にはその一端が刻印されている。
|