全編に、超豪華でセレブな舞台や車、物がさりげなく溢れていて、なおかつ出演者がそれらに完全にマッチしている。例えば、ジェームス・ボンドやボンド・ガールを日本人俳優にやらせるとしたら・・・・等と考えてみても、結局、誰もが設定や空気に負けてしまう気がした。その意味で、長いシリーズの歴史が作り出した偉大な最新作。アストンマーチンをさりげなく乗りこなし、濃厚なキスシーンが絵になる日本の俳優さんて、いないよなあ・・・。
007シリーズの出発点であり原点である本作『カジノ・ロワイヤル』。ストーリーは映画版のアクションシーン(爆弾犯追跡や空港でのカーチェイスなど)を抜き取った感じで進行します。じゃあアクションがほとんどないのならちょっと地味な話になるのでは?と思う方もいるかもしれませんが心配ご無用です!カジノでの対決シーンは作者フレミングさんが見事な表現力で描いており読むだけでその緊張感が伝わってきますし、映画よりもきちんとした丁寧な解説がちょこちょこ入るのでポーカーやバカラなどカジノのカードゲームに詳しくない人でも安心して読み進めることができます(^^)映画とは一味違った『ボンド誕生』を描いた本作。きっと満足できる作品ですよ。
私もこのDVDを見てダニエル・クレイグにはまりました。今まで彼が脇役で出演してきた映画をいくつか見てるのですが、全然クレイグさんのことは印象に残ってません。クレイグさんにとってこれが初めての大きな主役だったのではないのでしょうか?この映画ではクレイグさんの魅力をふんだんに生かしてましたが、他の映画でのクレイグさんの印象の薄さが気になります。凄く演技力のある俳優さんで、ある意味本当の「ジェームス・ボンド」さを出してたと思いますが、「カジノ・ロワイヤル」があまりにも良い出来だったので次の007シリーズからいかにクレイグさんのジェームス・ボンドとしての魅力をもっと発揮できるのか、それとも「カジノ・ロワイヤル」には及ばずファンをがっかりさせてしまうかにかかってくるんじゃないかと思います。その意味ではクレイグさんもきっとプレッシャーを感じているのではないかと思いますが。クレイグさんが契約が切れるまでこのままとても魅力的なジェームス・ボンドを演じ続けられることを願ってます。
本編がコメディのせいか、楽しい曲が多くあり、テーマ曲の「ルック・オブ・ラブ」は作曲のバート・バカラックの代表曲の一つです。本家の007シリーズのジョン・バリーの曲と聴き比べると面白いと思います。
全力で疾走、追跡するダニエルの姿が美しい。 前作までならクルマでも、あるいは戦車でも乗っ取って追跡するところでしたか らね。 結論から言えば見応えがありました。賛否両論あるものの、路線をチェンジした 時に酷評はつきものです。それよりもCGに頼ることなく、またボンドの内面の 苦悩を描くなど、これまでになく質が高く、リアリティ溢れるアクションものと して評価できます。 一方で、個人的にはMのジュディ・デンチの続投が「やっぱり007シリーズだ」 という安心感を与えてくれました。ダニエル初作ですから、そういった部分が 物語全体の安定感を醸し出していると思います。 すぐにでも第二作を観たいと思います(というか第一作は完結していませんし ね)。
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