とにかくおばあちゃんの家でのニシンのパイの場面がいい。 台詞がいい。おっとりとしたリズムの優しさ、とぼけたかんじ、ちょっと 年齢的にあきらめの入った哀しさといい最高です。 出来上がったパイをかごのバスケットに入れるところがまたいい。 この映画のおばあさんとメイドさん、パン屋のオソノさん夫婦はとにかく優しさがしみる。 「この街の人は、魔女がお嫌いなんですね」というキキに、 「いろんな人がいるからね」とオソノさんが答える。 普段、嫌なことや理解できないことが起きた時、自然にこの台詞を思い出します。 キキが最後に手紙でだす結論も、普通に生活している人達に共通するものではないでしょうか。 可愛いし、共感できる映画です。
ジブリの最高傑作は?ひとにより、ごひいきがあるのですが、我が家のベストはこれです。みるもののこころを暖かくうるおしてくれる、至福の作品、とおもいます。
海辺の町、澄み切った空の青さ、美しい光景。空を飛ぶことや魔法への夢と憧れ。出会うひとびととの、心のふれあいの大切さ。森の芸術家ウルスラや、パン屋のおそのさんと寡黙なご主人など(けっこうこのおやじのファンはおおいんですよ)、周囲で出会うひとびとが、実にこころゆたかな、魅力的なひとたちです。
つまりこの作品には、物質やお金ではない、人生の、ほんとうのゆたかさが、たくさんつめこまれているんです。みていると、なんだかこころが、だんだんと豊かに、ひろがってゆくみたいな気分になります。
そしてなんといっても、ひたむきに、純粋に、でもときには充分にへっこみながら、努力して成長してゆくキキの姿が、ひとりの人間として鮮やかに描かれていて、とっても魅力的なのです。クライマックスの、人助けのために、気持ちを集中させてついに魔法を復活させるシーンは、涙が出てくるような感動的な名場面です。こどもといっしょにみておとなも元気をもらえますし、正直、見習いたくなります。
ユーミンのなつかしい歌が最高にこの美しく感動的なファンタジーにマッチしています。これは祝福された作品、とおもいます。明るく、さわやかで、なんだか希望がわいてくる、いつまでも、みつづけたい名作中の名作です。 感謝、感謝、の星5つ、いや、この”人生への贈り物”のような作品には、星6つを、つけてあげたい。
おばけの絵本を集めている私の、お気に入りの1冊です。まず、イラストが、とても可愛い☆(おばけの絵本に「可愛い」というのも、おかしいかもしれませんが…)暗い色、明るい色、たくさんの色で細部まで描き込まれていて、見ているだけでも楽しくなります。登場するおばけ達は、本当に怖そうなおばけだけれど、主人公の女の子は、全然へっちゃら。怖がらせようとするおばけ達と、何処かズレてる女の子の組み合わせも、微笑ましい絵本です。
「遺族の抗議により日本未公開」というのは表向きの理由で
本当は政治団体が怖くて配給会社が公開を取りやめたなんて噂もあったこの作品。
確かにこの映画は三島の「盾の会」結成から自決に至るまでをドキュメンタリー仕立てで描いてはいるのだが、
それはこの絢爛たる錦の織物のごとき映画の縦糸に過ぎない。
物語は、三島のひ弱な幼少期→小説「金閣寺」の場面へ移行…というように、
三島の生涯(特に、死に至る動機)と彼の小説世界(「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」)が
リンクしあう形で交互に描かれてゆく。
高校時代に初めて観たとき、画質の悪いVHSだったが、石岡瑛子が美術担当したという三島的美の世界の再現に
ただただ圧倒された。
あの映像の美しさは、ぜひともデジタル・リマスター版で観たい。
だいいち、緒方拳とジュリーの最高の演技を、殆どの日本人が観る機会も与えられないままだなんて酷過ぎる。
とにかくおばあちゃんの家でのニシンのパイの場面がいい。 台詞がいい。おっとりとしたリズムの優しさ、とぼけたかんじ、ちょっと 年齢的にあきらめの入った哀しさといい最高です。 出来上がったパイをかごのバスケットに入れるところがまたいい。 この映画のおばあさんとメイドさん、パン屋のオソノさん夫婦はとにかく優しさがしみる。 「この街の人は、魔女がお嫌いなんですね」というキキに、 「いろんな人がいるからね」とオソノさんが答える。 普段、嫌なことや理解できないことが起きた時、自然にこの台詞を思い出します。 キキが最後に手紙でだす結論も、普通に生活している人達に共通するものではないでしょうか。 可愛いし、共感できる映画です。
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