古いルバムではあるが、その新鮮さは今も変わらない。 デビューから2枚目に当たる「イクイノックス(春分/秋分の分岐点)」と名づけられたこの作品は、明確なコンセプトの基に作られていて、即興的要素もあった「オキシジェン」に比べるとより堅固な作りになっている。 ヒットした「きらめくダイヤスター(V)」より私はIVの方が好きだ。 この曲のボコーダーライクなアドリブがARP2600によって入る所はライブの場合でも非常に良い効果を生む。 リズムが反転するVI辺りも聴き物だろう。 チャイナコンサートでも耳がすっかり騙された(一応ドラマーがシモンズでシカケを入れてたが)。 彼は間違い無く打楽器的な楽音の扱いをするミュージシャンであり、シンプルなメロディーの反復であっても、決して退屈させない隠し味を最初から手に入れているのだ(思えば父のモーリス・ジャールもブーレーズと2人でオペラ座で演奏していたティンパニ奏者でもある。やはり血は争えない)。 音の良いリマスター盤で是非聴いてもらいたいCDである。
リズムボックスで単調なリズムを繰り返しながらも、そのリズムが和音を構成して心地よい高揚感を演出する。そこへさらにシンセサイザーのメロディを重ねて、人の心に響く音楽の風景を描いていくのがシンセサイザー音楽の鬼才ジャン・ミッシェル・ジャールの真骨頂。前作の「軌跡」に続き、この「磁界」でもそうした手法が引き続き使われ、パート1からパート4まで一気に頭の中を走り抜けていく。とくに、パート3からパート4へとリズムとメロディが徐々に移り変わっていく様子の中には、リズムの拍子がどこにあるのか一瞬つかめなくなる錯覚に陥るテクニックが使われており、哀愁的なメロディとあいまって感激の渦に巻き込まれる。前作も、この後の作品も大好きだが、個人的にはこの「磁界」が一番好きだ。
部屋を真っ暗にして、もしくは目つぶって聴くとそこは別世界。
シンセサイザーを駆使してここまでやるとは脱帽モノです。
ふわふらと浮遊感ただよう独特の世界にご案内。
某プラネタリウムでBGMでかけられていたのにはビックリ。
プラネタリウム開演し、明かりが落とされて暗黒の世界に突入するまで
まさにぴったりの曲です。
GOLD DISCなので通常CDより音質がUPしています。
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