ボッサ・カリオカ
いろんな音楽のジャンルがすき!
でも、ボサノヴァのCDを買うのはこれがはじめて!
気持ちを明るくしたいなと思った時、探してたらコレになりました。
(レビューも参考にして)
1曲目の「ソ・ダンソ・サンバ」は、ウキウキしちゃいます。
聞いているうちに、耳についてしまって自分も歌っていました!
曲の流れ、優しいリサさんの声が良く、BGMとしてピッタリですよ。
私のように、小野リサさんの歌は知っていたけど
ボサノヴァはまだ。。。という方にもほんとおすすめな1枚です。
クレ-の絵本 (講談社ARTピース)
2002年に スイスのベルンを訪れる機会を得た。
八月ながら雨だったその日は非常に寒かった。夏服で震えながら クレー美術館に行った事を今でも憶えている。
僕がクレーを知ったのは 「クレーの絵本」という合唱曲からだ。その曲の詩が この谷川俊太郎の詩集であったので手に取る機会を得た。そうして クレーの絵が好きになった。こういう偶然の積み重ねが 人生を織り成している点に たまに厳粛なものを覚える。
結論として クレーと谷川は絶妙なコラボになっている。クレーの絵というものは そもそも観ている人に解釈の自由を与える。自由を得た 谷川が 奔放に 詩を謳っている。
この本を観ていると 絵に触発された想像と 詩に誘発された想像と二つの想像が湧き上がる。いささか混乱してしまうわけだが もちろん 混乱は芸術がもたらす最良の部分の一つでもあるのだ。
今 この本を見ていると ベルンの寒い夏を思い出す。そう 夏なのにとても寒かったのだ。
アルゲリッチ・プレイズ・モーツァルト 東京ライヴ2005 [DVD] [Import]
アルゲリッチが2005年にすみだトリフォニー・ホールで行ったコンサートのライブDVDです。収録曲は
モーツァルトの
ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
3台のピアノのための協奏曲へ長調 K.242
ロンド ハ長調 K.373
交響曲第32番ト長調 K.318
ベートーヴェンの
ピアノ・ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 Op.56より 第3楽章
このコンサートの趣旨は「グルダを楽しく想い出す会」。随所に亡き師に対するアルゲリッチの思いがちりばめられています。まずピアノ協奏曲第20番はグルダも好んだ曲。彼がミュンヘン交響楽団と収録したDVDMozart Concertos [DVD] [Import]と比較すると面白いです。3台のピアノのための協奏曲ではグルダの二人の息子を迎えて共演。
そして、最後の三重協奏曲では人気急上層中のカプソン兄弟が登場。若いアルゲリッチがグルダの薫陶を受けた様に、彼らはアルゲリッチに見いだされ、育てられた若い世代です。
クラシック音楽の世界における人の繋がりを感じさせる1枚。アルゲリッチだけでなく、グルダとのカプソン兄弟のファンの方にもお勧めです。
ただ定価を見るとリージョンフリーの輸入盤Martha Argerich Plays Mozart: Live From Tokyo [DVD] [Import]の方がよりお得なので、そちらがお勧めです。
あなたは誰?私はここにいる (集英社新書)
期待を裏切らない内容でした。芸術、特に絵画作品や画家に関する書物を私は好んで数多く読んできましたが、これほど自分の心情にぴったりくるものはありませんでした。著者をテレビ等で知っており絵画芸術に造詣が深い方々が、本書をお読みになると思いますが、きっと多くの方が画家と作品に自分の心象を重ね合わせるこの著作を理解し、著者とその思いを共感できることと思います。一方、作品や画家に対する解説が少なく分析や掘り下げが不足していると感じる人もいるでしょうが、著者の解説は日曜美術館出演もあって専門美術評論家にいささかも劣るものではありませんし、著者は説明に終始するというようなことをしていません。最も私達が満足することは、本書を読むことで「芸術空間を共有している」と著者が私達に感じさせてくれるということです。画家と作品そして著書と私が一個の空間にあって同じ芸術の空気を共有している、それらすべてが溶け出して一体となるような、そんな至福の気持ちを抱くことができるのです。そのような気持ちになれる方は、本書を無条件に評価するに違いありません。
(もっと読んでよいと思う方は以下もお読み下さい)
姜氏が日曜美術館の司会をされるようになってから、私はその番組を再び観ることにした。私はこれまで氏の著作を手にすることはありませんでしたが、この番組への出演に対して何故か確信的な期待感を持っていました。番組の中で氏は作品や画家について多くを語らなかったけれど、氏の胸に深く何かが刻まれるのを私は感じていました。だから、本書の発刊を知った時、購入したいという気持ちを私は抑えることができませんでした。
本書には、「僥倖(ぎょうこう)」、「懈怠(けたい)」、「韜晦(とうかい)」、「耽溺(たんでき)」などの私達が使わなくなった日本語が要所に顔を見せる。だからといって文章全体は、決して美辞麗句を並びたてたものでもなく、無味乾燥な賛美を繰り返すものでもない。著者の文章は、読みやすく分かりやすいものでありながら、私の心にしみわたってくるものでした。著者の絵画作品に込められた思いを吐露する場面で配置された日頃耳にしない単語も、その漢字本来の意味を自然と感じ取ってしまう程の説得力のあるものでした。本書は読む者に至福の時を与えてくれます。
プロフィールを『「書評」評論人』と名付けたのは、かねてから書籍に組み込まれている「書評」に対し批判的な意見を持っているからです。本文の優れた内容をいくつかの修飾語で総括してしまうような書評は、読者の飽和した豊潤な気持ちをいっきに萎ませるものであり、本文の価値を貶める以外の何物でもありません。よい書評があるとすれば、読者の満たされようとしている思いをより大きく膨らませることができる、そのようなものであるべきだと考えています。