彩(エイジャ) [DVD]
このDVDは自分でも笑ってしまうくらい繰り返し見ている。と云うのも、単に彼らの音楽の
ファンとしても、自分でも演奏するアマチュアミュージシャンとしても大変に興味深い内容が
一杯だからだ。まず関係者は総出演。裏方のG・カッツとR・ニコルズまで出演している。
有名なサイドメンのD・パークスがプールサイドであの「Josie」のカッティングを弾いてくれる。
R・マロッタはあの恍惚の表情で「Peg」のグルーブを叩く(私の一番のお気に入り)。
C・レイニーはレコーディング秘話を語りながらベースを爪弾くが、そのときにミスタッチで
大きなノイズが出る(名人でもこんな事があるんだ)。S・ダンの2人はコンソールをいじり
ながら曲をプレイバックしトラックごとの音を取り出して聞かせてくれるが、そこからまた
新しい話が展開されていき、何か大きなドラマを見ているようだ。この他にも有名なゲストの
インタビューやデモ演奏などで盛りだくさんだが、ストーリーの合間に入っているニュー
ヨークの景色がとても美しく、S・ダンの曲と上手くまざりあっている。
クラシック・アルバムズ:エイジャ(彩) [DVD]
1977年に発表した『彩(エイジャ)』。この名盤の制作過程を振り返るように語るドナルド・フェイゲン、ウォルター・ベッカー。彼等はほとんどもの凄いチャンネル数のミキサーの前で語り続けるのだが、トラックを減らしたり、突出させて自分たちの頭の中にあるイメージにいかに近づけていったかを説明してくれる。その徹底ぶりはもの凄く、完璧を通り越して、最高のアドリブがあたかも自然に出てきたかのような状況を完璧に譜面でがちがちにしていながら感じさせてくれる。非常にすばらしいドキュメンタリーに仕上がっている。
ドナルド・フェイゲン、ウォルター・ベッカー、彼等2人には若さも見た目の良さもまったくない。あるのは極めて論理的な作曲・編曲能力と、ずば抜けた演奏の旨さと、組み合わせるミュージシャンを選び抜く耳である。およそロックの世界にはいなかった理論的作編曲家と言うことができるだろう。どの曲もどの曲も複雑なコード進行と複雑なコーラス、旨すぎる演奏である。
名盤『彩(エイジャ)』の誕生過程を完璧に理解できる必見の作品だ。
Aja
Ajaの初SACD化。発売前から、音質にこだわる宣伝文句が並べられていたが、前評判に違わぬ高音質であった。 唯一の不安要素であった、国内マスター使用に関しても杞憂であった。盤内の解説によると、オリジナルマスターテープのうち、Black CowとAjaは行方不明になっていることと、リマスターによる度重なる使用により、国内マスターの方がオリジナルマスターテープより、状態が良い場合があるとのこと。真偽は不明だが、過去最高音質であることは間違いない。 これまでの代表的な高音質CDはMFSL社のゴールドCDとフェイゲン&ベッカーによる、リマスター盤が挙げられるが、音色的にはリマスター盤近い。但し、音の鳴り方は軽く凌駕している。 音質的には文句なく、★5だが、難点はやはり価格。既に他のユーザーの方がジャケ等の体裁につき、詳細且つ的を射たレビューを掲載しており割愛するが、この値段で全タイトルをすぐに購入するのは厳しい。
彩(エイジャ)
まず今回のSHM-SACDシリーズのパッケージ情報が少なかったのですが、やっぱり紙ジャケ仕様です。
レコードユーザーではないので、オリジナルジャケットは知りませんが、このアルバムのジャケは4つ折りで、一見ディスクの収納場所が分かりにくく、取出し面がジャケの内側に向いている為に非常に取出しにくい造りになっています。
梅雨どきを考えると、風通しが悪いので保管を気を付けないと、カビさせそうです。
初SACD化のアルバムなので、SHMによる高音質化は分かりません。シングルレイヤーなので、GAUCHO(Hybrid)と比較するのもおかしいでしょうし、元々が優秀録音盤のSACD化なので、期待は裏切らないレベルだと思います。
近年、SHM-CD等の高音質素材CDの影響で、ROCK/POPS系のSACDが廃盤傾向だったところに、まさかのSHM-SACDシリーズの発売は大歓迎です。
問題は価格ですが、扱いにくいパッケージにコストをかけづに普通のプラケースにして、もう少し安くして欲しかったです。
彩(エイジャ) [DVD]
細かい内容の説明は省き、登場人物をざっと紹介させていただきます。
チャック・レイニー : 有名な「ペグ」の逸話を、(じつに)楽しそうに語ってくれる。
ディーン・パークス : 長年のセッション生活で建てたであろうプール(!)の前で、セッションでの苦労話を懐かしげに語る。
リック・マロッタ : 「ペグ」のリズムを実演(すばらしい)し、説明。当時は本人に語れなかったであろうホンネも...。
ラリー・カールトン : 当時のバンマス(!)としての苦労を、人柄のよいトークで展開。
マイケル・マクドナルド : 「ペグ」当時の想い出。このビデオのヤマ場のひとつでもある<一人多重コーラス>を、それぞれにわけて解説!
バーナード・パーディー : おなじみの「自己紹介」と、<パーディー・シャッフル>を披露。
ウェイン・ショーター : こちらもおなじみ、マイルス・デイビスのモノマネを披露。例のサックスソロについて語ってくれます。
ウォルター・ベッカー : 終始小学校の先生のようなたたずまいで、豊かな包容力でもって、アルバムの話をしてくれます。
ドナルド・フェイゲン : 寡黙ではあるが独自のユーモアと表現力を駆使して、アルバムを丁寧に説明してくれます。
最後にこのビデオのために結成された<スティーリー・ダン>による、「ペグ」「ジョージー」が収録されています。
注意:ごく個人的な感想(偏見あり)もふくみます。