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    エドガー=アラン=ポー 怪奇・探偵小説集 (2) (偕成社文庫 (3123)) ポーといえば、「黒猫」・「アッシャー家の崩壊」・「生きたままの埋葬」のように怪奇オカルト趣味の大家と思われているかもしれないが、それは彼の多岐にわたる偉業のごく一断面に過ぎない。
    22歳から雑誌編集者として辣腕をふるい、緻密な論理力とあらゆる分野にわたる該博な知識、および天才というしかない着想と想像力でもって、多数の傑作短編を創出している。
    「振り子と陥穽」、「ウィリアム・ウィルソン」、「リジーア」、「赤色病の仮面」、「タール博士とフェザー教授の療法」など、恐怖と怪奇、空想科学とブラックユーモア、詩的感性と文学的構成力など、稀なる異能の天才と呼ぶしかない。
    一般には全く知られていないが、精神病院を舞台にした「タール博士と・・」の奇抜な発想には驚くしかなく、推理小説の元祖として名高い「モルグ街の殺人」もそうだが、彼に源流のある小説のジャンルは実に多くある。
    中でも、飛びぬけて変わった短編を紹介したい。「群集の人」である。主人公の私は、いつものようにロンドンの雑踏を歩いていて、通り過ぎる人間観察で時間つぶしをするのだが、ある時、ある男の姿が目に入り、どうしても気になってあとをずっと尾行していく話だが、最後の結論には、深い感慨と悲嘆に近い感動に襲われてしまう。
    ポーは、今、歴史の片すみに追いやられていっているようだが、あまたの傑作を生み出したこの天才にぜひ、出会って欲しく思います。

    モーツァルト : フルート&ハープ協奏曲&クラリネット協奏曲 第一楽章の出だしから本当に弾むようなイキのいいフルートとハープの調べ。 もちろん、演奏の好みというのは人それぞれで、優劣をつけることなど野暮というものですが、私はやはりこういった熱気とパワーが伝わってくる演奏が大好きです。 しかしこれ、確かに伝説的な名演と言われるだけあって見事なものですが、当時70歳のラスキーネにはかなりきつかったのではないかー?という気もします。 なにしろフルートのランパルがまだ40代前半なのだから(他の方のレビューにも書いてありますが)このコラボは指揮者にとってはバランスを取るのが本当に難しかったのではないかと思います。 しかしそういった困難さを聴き手に微塵も感じさせないところがすばらしい。  

    そういう意味では、同録のクラリネット協奏曲は、オーケストラのまろやかさ、イキノ良さにおいて、今ひとつーの感がいなめないのですが、この二つの取り合わせでこの値段はやはりお薦めです。 まだこの二曲を聴いたことのない方、買って損はありませんよ。

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