富沢ひとしの傑作SF漫画のアニメ化最終巻。
原作でも出色のエピソードだった「イエローナイフ」を映像化。
原作の最後までアニメにならなかったのは残念ですが、区切りとしては良いところで終わったと思います。また、2002年当時のCG技術では、この作品の完全アニメ化は難しかったでしょう。グロテスクなエイリアンと、対照的に丸っこくて可愛いキャラクター、敢えて素人臭く演じた声優陣、音楽を最小限に抑えた演出、ほのぼのとした日常と暴力性の対比、と原作の特徴をよく理解した、完璧に近い映像化だったと思います。
ところで、「少女と銃」というのは以前から漫画・アニメでは定番のモチーフです。
「少女」という子供でも女でもない不完全な存在が、男根の象徴である「銃」を得て両性具有的な半神になる、という発想です。もちろん、本作においては「ドリル」がその意味を持っています。
メインキャラの少女たちが、共生したエイリアンの能力により得たドリル攻撃で、敵をザクザクと突き刺して倒すのは象徴的です。
つまり、本作には多分に性的なニュアンスが含まれており、ロリコン的な変態性も無しとしません。
その手のものに嫌悪感を示す人も居るでしょうが、出来れば目くじらを立てずに、娯楽として楽しんで頂きたいところです。我が国が平和で性犯罪も少ないからこそ、こういう作品の存在が許されるのですから。
エイリアン通り(ストリート) (第1巻) (白泉社文庫)
私はアレキサンドライト→ナチュラル→サイファ→エイリアンと時系列バラバラで読んだのですが、エイリアンが一番好きです。
あんまりヒロインを好きになれない成田さんの作品なんですけど、翼は好きでしたね。何だろう一番普通で可愛かったからかな?花よりもでは空ちゃんが好きです。
にしても、翼はアメリカの環境に慣れなくて逃げ出したのに、逃げた先であんなにもイキイキと自己を確立していったのですね。回りの人たちに恵まれたのが一番でしょうね。バトラーさんが振り袖プレゼントしたエピソードはスゴイ!と思いました。
でも、翼の親はすごく心配だったろうけど、親離れって大事ですね。最終的には学校に戻っていった翼は偉いなぁと思いました。
シャールが翼を選んだのは感動ですが、翼の人生はさらに波乱万丈になるでしょうね。続きが気になるなぁ。花よりもが終わったら、このエイリアンの続編描いてほしいです。