①は10分近くの大曲だが、その長さを感じさせないほどの仰々しいまでのミートローフの歌い方が凄い。⑥は、車での幸せの一夜から一転結婚を迫られ結婚してしまい、昔は良かったと懐かしむ悲哀な男の話を描き、曲の途中で歌詞の内容もまた曲調も劇的展開を見せる、ジムらしい作品。ミートローフと女性ボーカル、エレン・フォーリーとの駆け引きは物凄い迫力。
しかし、このアルバムがモンスターアルバムになったのは、全ての曲のクオリティが異常に高いこと。シングルヒットした②や、美しいピアノの旋律が印象的な名バラード③、曲調が急激に変化する④、美しいメロディのもう一つの名バラード⑤、ミートローフのシンガーとしての能力をいかんなく発揮したオペラ調の名曲⑦。どの曲も素晴しい。そしてどの曲も非常に密度が濃い。何枚分かのアルバムを一枚に凝縮した感じ。もう少し日本でも評価されてもいいのではないか?