1曲目はTVCMに起用され、確か「○のヒットスタジオ」にもこの曲で出演したはず。ちょっとは売れたようである。しかしながら本作自体は余り売れず、本人曰く、どうせ周りの言うことをいろいろ聞いても売れないなら、好きなことをやってやれ、という思いで作ったのが『Home Bound』だそうである。そして『愛の世代の前に』等で徐々に評判を上げ、『Promised Land』でついにベスト10入りを果たした。
と、ここまで書くと本作は駄作か、思われるかも知れないが、決してそんなことはない。逆に、1曲1曲が試行錯誤の末のレベルの高さがうかがえ、素晴らしいポップスアルバムであると断言できる。陽があたらなかっただけなのだ。
スコーンと抜けた青空を思わせる気分爽快な1曲目、恋愛の切なさと苦しさが胸に迫る5曲目、7曲目は『北の国から』に挿入歌として起用されたが、発表時から多分10年以上経過していたと思う。にも拘わらず起用されるのは、やっぱり良いからなのだ。最後の本作タイトル曲は、浜省全ての曲の中でも、珠玉の1作だと思う。