ケイシー・ケイオス(vo)以外は殆どのメンバーが入れ替わってしまったものの、
結成当初からケイシー=AMENの図式は変わっておらず、
バンドの本質には全くの変化ナシ。
むしろ、ケイシーのディープなパンク/ハードコアへの情念が
激しく渦巻くかの如き怒涛の全15曲(国内盤ボーナス除く)。
ケイシー自身によるラフなプロダクションと、
若い新メンバー達の荒いが勢いあるプレイからか、
前2作以上に“パンク”を熱く感じる傑作と自分は感じた。
さらに、ここまで“パンク”を感じさせながら
所謂パンク・ロックのスタイルに落ち着かず、
現在に至るまでに出現した様々なエクストリーム・ミュージックのスタイルを全て飲み込み、
煮えたぎったところで怒りに任せ吐き出すような、実に多彩なスタイルを今作でも易々と維持しているのは凄い。
オートワウ使用と思われる軽快なギターリフにダンサブルですらあるビート。
そこに乗るキャッチーなメロが印象的な⑭は、ともすれば明るいロックンロールに聴こえるが、
実は嫌悪感凄まじい悲観的なリリックが叩き込まれている。
これぞケイシー!!
所謂ラウド系とは似て否なる音楽と自分は思うが、そういったリスナーにも
十分アピールする破壊力を伴った名盤!!
本当、稀なバンド。