
蝶の舌【字幕版】 [VHS]
最初観たとき、単館上映だったので土曜日の銀座、もちろん人が沢山の映画館へ行ってみてきました。描写が繊細で美しい、失われゆく少年時代、純粋さの代償に手に入れるもの。
そんなものを伝えるの映画は吐いて捨てるほどあって、私は飽きもせずにそれらが大好きなんだけど、あきらかにこの映画はそれだけで「はい、オ・ワ・リ!ちゃんちゃん!」の領域を越えている。
美しさ、純粋さ、罪悪感、尊敬、憧憬…膨らませるだけ膨らませてこれは結論を提示しない。全部全部自分の中でつじつまを合わせねば行けない。
「ああ、あの主人公こう思ったんだ」という客観としてではなく、強く強く心に主観として残る感覚。この映画以外でこの感覚に陥ったことは無い。
もう二度と観ないかもしれません。好きすぎて。
蝶の舌 [DVD]
観るたびにラストシーンには泣かされる。
蝶の舌 (BOOK PLUS)
何と言いますか、この本の物語達は、淡々と、物静かに進んでいきます。表題作「蝶の舌」では、すずめ君の「ティロノリンコ!」の叫びに、涙を誘われました。また、他の作品では「時がもたらす知恵」が良かったです。この中に出てくるイェーツの詩が好きですね。