
やわらかな心をもつ―ぼくたちふたりの運・鈍・根 新潮文庫
「それぞれの分野で世界のトップレベルにあるお二人の対談」として読んでももちろん興味深く、学ぶことは多いのですが、私は違う角度からも面白いと思いました。お二人の話題は、しばしば「教育」についても触れていますが、子供のうち、若いうちに、どのように学ぶべきか、ということへのヒントが、たくさん出てきます。また、お二人が生涯を通して学んでおられる「姿勢」にも、学ぶところは多いです。
「ゆとり教育」が叫ばれてはいるものの、誰もが手探りをしているような今の日本の学校教育。「なぜ学ぶのか」を子供に明快に答えられる大人は少ないのではないでしょうか。私はいつか息子に「なんでこんなことをただ暗記しなくちゃいけないの?」と聞かれた時にはっきり答える方法を、この本から得ました。20年前の対談ですが、決して古くありません!!
トスカ*歌劇 [DVD]
小澤征爾やキリ・テ・カナワのファンならずとも、必見の価値はあります。歌唱力、演技ともに素晴らしいカナワにあって、今回特に印象的だったのは、やはり見せ場の一つとして有名な、「歌に生き、恋に生き」を切々と歌い上げるシーンでしょうか。理不尽な仕打ちに対する嘆きを、神に訴えながらも、女の情念や決意を垣間見せるカナワの表情が、歌姫トスカの生き様と重なって見事の一言につきます。スカルピアの殺害前後は、カナワの不安や鼓動まで伝わってきそうな緊迫感にあふれ、芝居だということを忘れてしまいそうでした。舞台衣装や美術は、オーソドックスですが、スカルピアの執務室にある巨大なテーブルを支える人間のオブジェ?は、秘密警察の長官というスカルピアの職業柄を暗示しているようでユニークでした。編集のメリットもありますが、ただカーテンコールは、最後まで収録されていないのが残念でした。
ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)
40年以上も昔の本なのに、文体も内容も全部今と変わらなくて違和感も時代のギャップもまるでないです。
