佐々木好雨雪風佐々木好モバイル

りらっくす佐々木好の５枚目のアルバムである。そして、５枚のアルバムはＣＤ／アナログレコードともに、廃盤であるのに、こうしてカタログにのっているのか疑問だ。
４枚目の「暖暖」は未ＣＤ化なので、４アルバムがＣＤとなった。
１，２枚目のＣＤはよく見かけるが、当アルバムそれよりも見かけないし、３枚目の「雨天決行」にいたっては、ＣＤ／アナログレコードともに流通量が少なく貴重で高値である。

同郷・同性ということで、中島みゆきの「〜」とか、中島みゆきが好きなら是非というコメントを見かけるし、デビュー時にも散々そう喧伝されたが、似ている点を探すのも困難なので、温情の無いメーカーの言うことを鵜呑みにしないで欲しい。

１，２枚目に比べて、明るい印象があるものの、歌詞を追っていけば一貫として身近な話題を据えて、そこから覗く人間像をストレートに表現している。
音楽的には、５アルバム通して、やや不安定ながら透明感のある奇麗な声で、強く歌う個所では、がなる調子ながら、シャキっと歌いあげる。

山崎ハコ、森田童子とも比べられたが、中島みゆきほど外れてないが、類似して聞こえるが、
佐々木好は決して諦観を持っているわけでも、喜怒哀楽の表現のよく出た、つまり偏重ない音楽表現のあるアルバムを作っていて、何らかのメッセージも無いし、アジってるのでもない。
本当に、身近な部分の洞察、感情、希望を歌にしているだけなのだ。
私小説的なところは、リスナーと共感するのではないかと思う。
埋もれることなく、是非多くの人に聴いて欲しい、誠に稀有なアーティストである。

さて、リスナーの心情を汲まないリリースをして、多数の貴重な良盤をないがしろにし、商売熱心なメーカーが、今後、由紀さおりの「ストレート」のためだけに佐々木好の名が残るとかいうことのないように、５枚のアルバムを再発してもらいたい。
商売上手なことは、十二分に分かっているのだから、音楽メーカーの面目を躍如して下さい。

佐々木好雨雪風

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