基本的には小さなスタジオで顔を突き合わせて演奏するだけで、合間にインタビューが挿入されるのみのストレートな作品なのだが、彼等の表情がすごくよい。あくまで自分たちのために、自分たちのつながりをたしかめ、メンバーの両親の多くが離婚しているということを含めた心の傷、スターダムにのしあがったことで生じたコンフリクトなどをはねのけようとするかのような親密な雰囲気がとてもよい。
前半は、山岳での遭難救助が中心。映画で見るような過酷な条件での救助を楽しむことができます。後半は、盛り上がってきます。二重、三重にはりめぐらされた罠、誰が味方で、誰が敵なのか?銃弾をかい潜り、主人公が北アルプスを疾走します。
筋は単純ですが、主人公以上に、「いろいろ、かかえた」多くの脇役も活躍します。いろいろな人物も楽しめる本でした。