ウィトゲンシュタイン入門 (ちくま新書)
正直、初読ではわからんかった。
じっくり読んでみて、ようやく言わんとするところが了解された。
「私」にとってどんな限界があるか。
物事が、だらだらと「語られる」か、それとも一発で「示される」か。そのことが問題なのである。そういう鍵がこの本で重要だ。
私は「論考」は難易度高すぎて読もうとしなかったが、数式があれこれあったのも一因だ。だがこの永井氏の本では数式はほとんど出てこない。限界を外からではなく内から設定するとか、「どうにもならん」を自覚する意識が問題なように思われる。
ただ、「私」とはいったい何なのかという問題は著者も探求中なのか曖昧な感じで終わりはした。もっともそんな問題答えなどないだろう。
乙女の美術史 世界編
日本編を読んで面白かったので、こちらも購入しました。美術にはそれほど詳しくない私でも、こちらも楽しく読めました。
西洋美術は、美術館で一番目にすることが多い作品です。ただ、時代によって宗教がわからないと理解できなかったり、強烈なコンプレックスをわかってあげてから見ないと難しかったりで、人の多い美術館では絵自体をゆっくり見られませんでした。
今回、この本を読んだあとにロートレック展へ行きました。たまたま本の内容を覚えていたので、ロートレックの自分への感情を思いながら作品を見ることができて、「美術を味わう」ことができました。まぁ、ロートレックがおネェ芸だとはさすがに美術館には書いてありませんでしたが。笑。
美術はその作品を理解する素養がないと楽しみが半減しちゃいそうですが、こうやって身近な話に置き換えながら解説してくれる本を片手に見ると、やっぱり違いますね。とくにこの本は美術館の解説でははぐらかされているところをどストレートに書いてくれている分、美術展を二倍楽しめる本だと思います。
スヴャトスラフ・リヒテル・コンサート/モスクワ音楽院ライヴ1976 [DVD]
曲目が表示されて無いので以下に示します。
・ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番へ短調 op.2-1
・シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 op.26
・ベートーヴェン:バガテル ト長調 op.126-1
・ドビュッシー:前奏曲集第1巻〜第3曲『野を渡る風』
・ドビュッシー:前奏曲集第2巻〜第8曲『水の精』
・ラフマニノフ:前奏曲 嬰ト短調 op.32-12
小澤征爾 / マルタ・アルゲリッチ [DVD]
オザワとアルゲリッチの掛け合いが素晴らしいです。
アルゲリッチの力強く魅力的な響きと、小澤征爾のアンサンブルに込められた哲学が絶妙に融合し、トータルとして、大変素晴らしい音楽が作り上げられています。是非一度聞いて見て下さい。
バッハ:マタイ受難曲(全曲)
クレンペラー御大のマタイ。
重い、本当に重い足取りのほかに例を見ない録音だと思う。
だけどどこから聞いてもクレンペラー節とわかる御大の最高傑作。
もっと評価されてもいい録音だと思う。
癖はとても強いが聴き込むとリヒターの録音より好きになってしまう。
孤高のマタイだと思う。