実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]
まず、最初に気になったところをいくつか…。
監督としては思いを込めて『実録』としたのだろうが、意図に反し『赤軍派を美化しているのでは』と感じさせてしまうシーンがあった。(例えば、ラスト近く森の文章の映像的取り扱いなど)
また、中盤まで主人公格の遠山だが、なぜ主人公扱いなのかな?と感じる。(←監督自身が知人だったからか? 重房との関わりのためか?)
それに遠山は(劇中の永田の意見ではないが)変に綺麗で可愛く映っており武力闘争に向かっている人物には見えない。他のメンバーから少し浮いている。(山岳ベースで浮いているのは意図的な演出らしい。だから永田に目をつけられる訳だ)
また、映像も映画的質感(?)に欠ける。TVの再現VTRみたいな質感だ(映像特典をみると低予算のなか奮闘している姿があるのだが…)。
終盤のあさま山荘の部分も上手くまとまっていない。室内のシーンだけなのもいまひとつ。(山荘の外については『突入せよ…』を観るといいかも。あっちは予算もあるし。…余談ですが) 等々、ところどころ気になる部分があった。
だが…
全体としては凄い力作だ。(なんだか文句ばっかり書いていたのだが…)個人評価としては★は5つとしたい。(もっともっとつけてもいい)
当時の(反権力側の)本当の生き証人である若松監督が思いを込めて(まさに総括として)作り上げた映画であり、その熱意が充満している。(億単位の借金をして…自身の別荘を破壊して…) 『みんな死ぬ気でやってるんやっ!』 劇中で塩見がそう言い放つが、監督もそんな感じだろうか。
構成としては大まかに「前史・山岳ベース・あさま山荘」の三部に分かれる。そのなかで山岳ベースが抜きん出ている。おそらく本格的な劇映画としてここまでまとまった状態で製作されたのは初めてだろう。直球で映像化されており本作の最大の見所だ。密室劇とか監禁という題材は若松監督の得意(?)とするところ。正視に堪えないほど凄い。(実際はさらに残虐で汚らしいものだったという。)
前出の『赤軍派の美化』についてもこの映画は彼らの行為を肯定しているわけではない。各個人が(あきれるくらい)まじめに取り組んでいる様子を描写しているのだ。軍事訓練などはたから見ると滑稽でしかないが大真面目だ(ライフルを構えて『バンッ』)。もちろん残虐行為についての美化は一切なく、開いた口がふさがらないほど貧弱な内容の総括要求(本人達は真剣だ。そこが怖い)や凄惨なリンチなど映倫で許す範囲で過激に映像化されている。犬死としかいえない姿は本当に観ていて辛い。 『こんなの革命じゃない』 …本編に二回出てくる台詞である。これももう一つの監督の思いだろう。
190分にも及ぶ長編であるが、素朴な疑問として『なぜ、あそこまで追い詰められていったのか…』には答え切れていない。監督としては語りたいことがもっともっとあったろう。見所である山岳ベースのシーンなどもっと細かく描写して欲しいとも思った。(当初5時間ぐらいあったという。山岳ベースのシーンはもっと多くあったのだろう。興行としては長すぎる為やむえずカットしていったという。190分以上では確かに長すぎる上映時間だがロングバージョンは観てみたい)それでも一本の劇映画としてまとめ上げた力技と熱意は凄い。熱い映画には志があるということが痛いほどわかった。ダレ場なく一気に観れる映画だ。
ソフトとしては、映像特典もなかなか良かった。
劇中では悪鬼のような森役の方の穏やかな受け答えになぜか安心した。(悪役?の二人は本当に凄い演技だった)特典の終盤でベイルートの岡本公三と平壌のよど号メンバーに本作を見せるシーンがあり驚いた。(←やっぱり過激な監督だ)収録できる内容でなかったのかもしれないが彼らの感想をもっと聞きたかった。非常に興味深い。
ザ・ダンシング・サン/松任谷由実
このアルバムでよい曲は「hello my frend」と「春よ来い」の2つでしょう。
あとの曲はそれら2曲が際立っているため、何回聞いても印象にのこりません。
毎年1つずつアルバムを出すには、相当の能力が必要だと思いますが、
さすがのユーミンも種切れかと思わせます。
実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)オリジナル・サウンドトラック
本編は190分の長尺作品でしたが、劇場に8回も通ってしまいました。
作品の前半部分に挿入されていた、学生運動の貴重なニュースフィルムの息遣いが、ジム・オルークの音楽とともに、自宅でよみがえってきました。
「遠山のテーマ」はまた、えぐられるようなせつなさでした。
惜しむらくは、渚ようこの「静かな最前線」などの挿入歌が収録されていなかったこと。これも聞きたかったのですが、本編DVDまたは渚ようこの「あなたにあげる歌謡曲2」を購入する以外、入手方法がなさそうです。
ドロップ スタンダード・エディション [DVD]
ライバル登場→たたかう→仲間になる→ライバル登場、、、延々とこの繰り返し。
鉄パイプで殴ったりしてんのにすぐ回復。リアルさのかけらも無し。
男同士の友情に比べて男女の恋愛描写はほとんど添え物。
永遠に続くかのように見えるモラトリアム。
最後のほうで上地演じる元不良が死ぬけど、
ぜんぜん主人公達のモラトリアムが脅かされる訳じゃない。
主人公達の責任や成熟は描かれない。
ラストは主人公が自ら街を出たくて出ました。終わり。
これってまさに少年マンガだよね。
少年マンガからの引用で成り立ってる映画はあったけど、(小林サッカーとか)
ここまで少年マンガにどっぷり浸かった映画ってみたことない。
ある意味あたらしい映画。
作中にドラゴンボールの小ネタを挿入してるあたり、
品川はけっこう確信犯的にやってんのかもしれない。