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マツコデラックス デラックスじゃない (双葉文庫)

基本的に喋り口調の文体なのに、ところどころ急に現代語辞典やウィキペディアを引き写したかのような冗長で硬い文章が入るのがとても不自然。例えば、「証券取引法違反でパクられて長野刑務所に収監されたホリエモン(堀江貴文)が2013年3月に仮釈放になったときの記者会見を観て、ちょっと「カワイイ」って思っちゃった。」「2013年のAKB総選挙で1位を獲得した指原莉乃がセンターポジションを務める『恋するフォーチューンクッキー』に合わせて、神奈川県・黒岩祐治知事ら1500人が踊るシーンが動画サイト「YouTube」で公開されたよね」終始この調子。単に文字数稼ぎなのか、それとも親切心から出た説明過剰なのかはわからないけど、このあちこちに挿入される「解説」がマツコの独特な口調と完全に乖離していて、読んでいて突き放されるような感覚を抱く。仮に読者への親切心から懇切丁寧に解説しているんだとしても、そんなの本文では省いておいてページ下に小さく註釈のスペースを設けるとか、いくらでも他にやりようがあったんじゃないか。語り下ろしたものを他人が構成しているのかもしれないけど、それにしてもOKを出したのはマツコ本人のはず。この不自然な文体を本気で良しとしたなら、文章に対する致命的な鈍感さというか、無粋さを感じる。喋ってる内容は悪くないので残念。 デラックスじゃない (双葉文庫) 関連情報