19歳で、ストリングスアレンジとかまで全部やっちゃってるし、しかもあの当時(1972年)とは思えない洒脱さを湛えているんだから、これはもう神業というしかないですね。後にピコこと樋口康男氏は、どちらかというと裏方に廻って、アーティストとしては表舞台には出なくなるんですが、それもこのアレンジの力量を見せつけられれば、、納得といった感じです。本人も自分の声があまり好きではなかったようだし。確かにこのアルバムの唯一の弱さがあるとしたら、GS特有のというか、なんともなよなよしたボーカルなんですね。このボーカルは、当時の時流で仕方ないのでしょうが、もう少し男らしく歌っていてくれたらなという気がしてしまいます。しかし、曲の間奏とかは、ものすごくカッコイイ。ジャズのフィーリングなどごく当たり前といった感じで、ボンボン出てきます。全く音楽の申し子のような人とは彼のような人のことをいうんでしょう。 ABC~ピコ・ファースト 関連情報
この作品を亡くなった祖母と二人で観たのは、小学校1−2年だったはずです(1年後の再放送も見たはずです)。最後の主人公が海に漕ぎ出すシーンと、数多くの洞窟のシーン、そして主題歌の切なさが記憶に残っていて、つい子供のため(?)にと購入して、改めて作品のクオリティーの高さを感じました。基本的には試練と別れを乗り越えての少年の成長の物語ですが、これから大人になって行く世代のために、これだけ丁寧な作品をつくった原作者および当時のスタッフに頭が下がります。主題歌もまた石川セリさんの、どこかボーイッシュな声と、憂いのある転調、さびの部分の命令調の歌詞が相まって、ドラマから切り離しても(一度観てしまったら、決して切り離せないのですが)、記憶に留まるのです。この作品の放映1年後くらいに舞台となった三浦海岸の辺りを訪れていたのですが、当時はそれに気がつきませんでした(でもスイカ畑のイメージが頭の中でつながりました)。先生役の菊容子さんが、あの「好き好き魔女先生」であったこと、この数年後に不慮の死を遂げたことも初めて知りました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。 NHK少年ドラマシリーズ つぶやき岩の秘密 [DVD] 関連情報
数年ぶりに見たけど、やっぱり面白い。それどころか、初見とは違う気持ちで、思わず微笑みながら見てしまう。(言うまでもないが、この笑いは冷笑じゃなくで温かい笑みです)懐かしい気持ちと言ってしまえばそれまでだが、20世紀と21世紀(新世紀)で違った気持ちで観賞させるのだから、このガンダムXはニクイ奴である。見所は、キャラクターがすごくイキイキしているところ。やはりイイ。ジャミルとテクスの大人の渋みやフロスト兄弟の怪しさ、特に、主人公ガロードと兄貴分のウイッツとロアビィの絡みが「ああ、こーゆー粋がりが若い奴らだよな」と思ってしまう。こう感じるのは、オンエア当時はガロードくらいだった私もそれなりに年をとったということなんだろう。それにしても、ガロードは主人公なのによく年配の人に殴られる。この慣習は後々まで続くのだが、若い奴が思い通りに出来るほど世の中はあまくないという暗喩についつい感じてしまう。こう感じるのは、オンエア当時はガロードくらいだった私も…(以下、略)この巻は、キャラクターと世界観の紹介・今後のストーリー展開を予感させる重要な部分でもある。しかし、そんなことを考えないで、気軽に見て欲しい。そうした方がエックスのテイストをよりよく感じられるから…。 機動新世紀ガンダムX 01 [DVD] 関連情報
樋口康雄 CM WORKS ON・アソシエイツ・イヤーズ(1972-1991)
手塚治虫のアニメ映画『火の鳥2772』で彼の音楽を初めて聴いたのはもう30年近く前、それ以来ずっと心の片隅に彼の名前が刻まれていました。近年、急にこの火の鳥の音楽が聴きたくなりサントラを購入、魅惑的で幻想的な音に再びうち震えたのでした。そして彼の音楽がもっともっと聴きたくなったのでこのアルバムを購入しました。火の鳥のサントラのような音を期待して聴いてみると、それ以上にその自由な発想と音楽的幅の広さとオーケストレーションに驚かされます。CM音楽に愛を持って取り組んでいた樋口氏の軌跡を辿れるのは余りある幸運。日本人にもこんなすごい音楽家が居るんだと、改めて嬉しく思います。 樋口康雄 CM WORKS ON・アソシエイツ・イヤーズ(1972-1991) 関連情報