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太平洋ごみベルト プラスチックスープの海―北太平洋巨大ごみベルトは警告する

ここまで深刻だとは思わなかった。増え続ける海のプラスチックゴミ問題を、著者たちが実際に航海調査を行った結果や他の科学者たちの研究を紹介することで解説した本。ショッキングなカラー写真も数枚掲載されている。ペットボトルの蓋や使い捨てライターをコアホウ鳥の親鳥が巣に運び、餌として与えられて飲み込んだヒナの死体。プラスチックの破片を飲み込んだウミガメの子供やハダカイワシは、その肛門が破片で詰まって排泄ができなくなる。少しでも漁をたくさん積んで帰りたい漁船が投棄したプラスチック製の漁具が、モンクアザラシの体に絡まり衰弱死させる。死んだザトウクジラの死因の第一も、捨てられた漁具をはじめとする大洋投棄物だという。アシカの胃袋から大量のビニール袋が発見される。こんな例が枚挙にいとまがない。海域によっては、イワシの35%から何らかのプラスチックが検出されたという調査もある。そして、海をただようプラスチックは今も増えている。プラスチックは基本的に生分解されず、やがてぼろぼろに砕けてゆく。すると、それらは小魚やプランクトンの餌になり、がっちりと食物連鎖の中に組み込まれてゆく。さらに、プラスチックは脂と相性がよく、脂溶性の化学物質が付着しやすい。加えて、プラスチックにはさまざまな物質が添加されていたりするものが少なくないため、毒性が憂慮される物質がプラスチックのごみを介して次々生態系に侵入している。ビスフェノールAやフタル酸エステルの2つは特に注意を要するという。一部で規制は行われているが、不十分なうえ、あまり守られていない。また、プラスチックは種類が多すぎて単にゴミを集めてもその選別が難しいためリサイクルも簡単ではない。便利な使い捨て文化の申し子のようなプラスチック。なんとか対策を考えていかなければならないのだし、分解性プラスチックの開発や循環型社会といったことは本書でも検討されているのだが、現実的には極めて解決困難な問題であることも指摘されている。重いテーマを突きつけ、深く考えさせられる本だ。 プラスチックスープの海―北太平洋巨大ごみベルトは警告する 関連情報




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