脚本は、「キサラギ」の古沢良太なんだけど、ドラマとしてはありきたりでしたね。笑いもストーリーもはじけられず、生真面目にすぎる。 都会批判と自然礼賛がテーマなのか??? でも、それらは底が浅く、TVのスペシャルドラマのよう。ロケ地へのこだわり、釣りの美しさといった、画作りは職人監督らしい堅実さがありますし、VFXも、いい仕事をしており、餌に食いつく魚の映像は素晴らしいです。しかし、原作の漫画的誇張を引き継ごうとしたラストの釣りシーンと、それまでのドラマの普通さとのバランスが悪い。ドラマの部分が誇張のないテンポと調子だったのが、急に漫画的になるのに違和感を感じてしまう。たとえば、トンボに釣り針と糸を縛りつけて巨大魚を誘うのだけれど、「大きな釣り針を括り付けられて飛べるわけないじゃん」という気持ちになってしまう。これが、最初から漫画的に展開していれば、それもアリかという気持ちになっただろうし、巨大魚の造形も凄いと思えたのでしょうが、漫画らしさをイマイチ受入れられない。最初から、もっと漫画チックにガムシャラにやってほしかった。 釣りキチ三平[DVD] 関連情報
内容は、矢口高雄さんの少年期を文章と少しの漫画で表現した話です。田舎の村で生きる少年の目を通して描かれる情景に、ある種の懐かしさを感じます。貧しいながらも自然に囲まれて楽しい生活を送る反面、貧しさゆえの苦しみも描かれています。著者の弟を襲った悲劇とその際の母親の姿は涙なくして読めません。一人でも多くの人に読んでもらいたい作品です。 ボクの学校は山と川 (講談社文庫) 関連情報