ハリウッドに招かれた劇作家が映画用のシナリオを書き始めるがやがて・・・というお話。以下は内容に踏み込むので読みたい人は映画を観てからに。なかなかシナリオの捗らない主人公が隣の気のいいおっさんと仲良くなったら実は殺人鬼で主人公も巻き添えになりそうになり、最終的にその殺人鬼に狙われるという展開はサスペンスとしてよく出来ていると思いますが、この映画が何の暗喩になっているのかいまいちよく判らなかったので、極私的な感想を述べると、映画のシナリオよりも実人生の方が不条理で不可解なことが多く、それは映画のようにうまく纏めることができない、あるいは現実自体が実は映画のようなものであり何でもありうる、という解釈をしてみましたがどうでしょうか・・・牽強付会か。映画の中にも様々な謎かけや伏線が散りばめられ、観る者全てを映画の中に誘い込み、謎解きを迫り煙に巻きます。これはそういう風に深読みをするよりかは、創世記のハリウッドを舞台にした異色のサスペンス映画として虚心坦懐に楽しむ方がいいかも。最後のカタストロフィもなかなか凄い。撮影もコーエン兄弟らしさに満ちていて流石と思わせます。カンヌで三冠をとったというのが少々解せない感じもしますが、それなりに楽しめる映画でした。 バートン・フィンク [DVD] 関連情報
変なディテールが沢山あって観ようによってはかなり変質的壁紙が剥がれ落ちていくシーンはどうやって思いついたのだろうか?なんでもないシーンがトラウマのように思い出される。物語を思い出そうとしても何も覚えてないぐらい細かい映像は焼き付いている傑作だ。 バートン・フィンク [Blu-ray] 関連情報