日本に数あるリアス式海岸のすばらしさやありがたさが一読のもとに理解できます 続刊 日本<汽水>紀行―「森は海の恋人」の世界を尋ねてと併せて読んでみて下さい
著者の畠山重篤氏は気仙沼で漁業(牡蠣・ホタテの養殖を主体に)を営む人でNPO法人「森は海の恋人」の 理事長も務める。 本の題名「鉄で海がよみがえる」に託されているのは、海と森と鉄の関係を通じて生命の誕生の不思議から 未来の人類(生物)への、良き環境づくりがどのようになされるべきかを探って提示しようということ。 経済優先の縦割り行政のなかで、切り離され孤立して次第に衰弱してゆく生命のはかなさ。 失っても気が付かず、自分に直接影響(悪く…)しなければ何も感じない人工の都会に住む議員・官僚と学界の 権威者と呼ばれる人達(全てとは言わないまでも、多くが)の作為と無作為が、生命を脅かしている現実。
一歩づつ、生命の循環を考えて遠回りだけれど、山に広葉樹を植え続ける人達、そのNPO。 我が故郷山口県人の活躍ぶりも紹介されますが頑張っているんだ、全く知らないことばかりで驚く。 個々人の生命は永遠ではないが、「子々孫々」(生命体である)のことを本気で考えていかないと…。 自然に対して知識でなく、行動で何かを始めなければと思わせてくれる、良書です。 東日本大震災の津波で、気仙沼も一切を失い、畠山さんもご母堂を亡くされたとか。 でも、その厳しさから復活に向けて様々な活動を継続されていることに頭が下がります。
時間を見つけて読むことで、診療の質が改善するように感じました。
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