「入門」ということが分かりやすいという意味なら、その通りだが、 初歩的なということだったら、この本はもっと先まで届いている。
ニーチェを語りながら、その先行思想であるプラトン、カント、ヘーゲルを語り、 同時代に形成されたマルクス主義にも言及する。
ニーチェ哲学を論じながら肩に力が入らず、全体から細部まで理解が及んでいるので、 著者はつねに分かりやすい言葉で文を綴る。
西洋思想の流れや社会の成り立ちにも新たな光を投げかける。 読みながら"あぁそうだったのか”と思うことしきり。
快刀乱麻を断つに近い心地よさが味わえる読書体験。
1989年1月3日トリノでのこと、フリードリヒ・ニーチェは、 カルロ・アルベルト通りの部屋を出た。 散歩か、それとも郵便局へ向かったのか、 その途中、間近にあるいは遠目に、 強情な馬に手こずる御者を見た。 どう脅しつけても馬は動かない。 ジュゼッペかカルロか、恐らくそんな名の御者は、 烈火のごとく怒り、馬を鞭で打ち始めた。 ニーチェが駆け寄ると、 逆上していた御者は、むごい仕打ちの手を止めた。 屈強で、立派な口ひげをたくわえたニーチェは、 泣きながら馬の首を抱きかかえた。 ニーチェは家に運ばれ、 2日間無言で寝椅子に横たわっていた後、 お約束の最後の言葉をつぶやいた。 “母さん、私は愚かだ” 精神を病んだ最後の10年は、 母と看護師に付き添われ、穏やかであった。 馬のその後は、誰も知らない。 (冒頭の映画ナレーション字幕のまま)
ニーチェの精神を崩壊させた原因として、今も語り継がれている有名なエピソードに 触発されたタル・ベーラ監督の最新作は、人間自身がもたらした災厄によって、 終末を迎えようとする世界を描いた寓話で、観終わった後に鬱になること請合いの作品です。
いつの日からか吹き始めた暴風にさらされている、不毛の大地に建つ古びた石造りの 一軒家に住む寡黙な父娘の単調な日常を、長回しで淡々と映し出した2時間40分の映像は、 他の監督が撮れば、30分もあれば納めてしまうであろう冗長さで、井戸水と一個の芋だけの 質素な食事や、ランプの火だけで浮き上がる何もない寒々とした室内で、 窓の外を見つめたまま身動きしない父娘の姿から重々しいニヒリズムの空気が漂いますが、 映像から発せられる饒舌な見えない言葉によって、不思議と引き込まれてしまい、 全く見飽きることがありません。
井戸水が涸れ、火種も無くなり、家畜の馬も用をなさなくなって生活の糧をなくした父娘は、 新天地をめざして旅立ちますが、すでに世界は崩壊していて、漸く治まった嵐の後訪れた 静寂の中で死と向き合う父娘の姿は、私たち現代人の姿が投影されていることは 言うまでもありません。 ただし、死と向き合うということは、いかに生きるかを考えることでもあるわけで、 この絶望の物語から、希望の物語を生み出せる創造力があるかを、私たちに 試された映画とも言えるでしょう。
継母のいじめに耐えつつも動物たちに愛されけなげに元気なシンデレラ。森で友人とともに狩を楽しむまだまだ子供っぽくやんちゃな王子に出会います。白馬を乗りこなし王子をからかうシンデレラ。二人のやり取りがとてもかわいらしい。元来の大人しいシンデレラ像を打ち破ったじゃじゃ馬さがファンタジーに現実味をおびさせ、彼女を身近に感じることができます。 何より目を見張るのが中世の衣装のすばらしさです。 大人になった今改めて見直し物語の作りこみに感嘆しました。魔法使いが出ない変わりにあるものが登場するのですが、本来はこのようなお話たっだのでしょうか・・・?新鮮です。 70年代という面白い時代背景をファンタジーの裏でひしひしと感じることができたのは私だけでしょうか?
「神は死んだ」や「超人」といった語句を社会科で学んだのみで、著書に実際に触れることのないまま40歳を過ぎてしまった私ですが、今回初めて本書を通読し、その思想の一端に触れることができました。
本書は、第1部から第4部までの4部構成ですが、長らく山に籠もっていたツァラトゥストラが30歳となり、山を下りて、民衆や弟子に語りかけるという展開の物語形式となっていることに注目です。 いわゆる哲学書と違い、その詩的とも言える文体は、「哲学」なんて難しそう、と敬遠している方でも、読みやすい内容になっていると思います。
キリスト教を基底とした人生観が崩れた19世紀の西洋、という時代背景を押さえておけば、高校生でも完読することは可能な書物であると感じています。
本書では、上・下巻とも巻末にかなり詳細な解説が付いており、ニーチェの思想に初めて触れる方であれば、先にこの解説を読んでから、本文を読むという読み方でも良いのではないでしょうか。
その思想性については、多くの解説書や研究書が出ているので、そちらに譲るとして、私は、「2001年宇宙の旅」という映画との関連で感想を述べます。
1968年公開のこのSF映画、オープニングテーマが「ツァラトゥストラはかく語りき」という曲であることから推察されるとおり、ニーチェの思想に影響を受けていると思ってはいたのですが、本書を読んで、これは「ニーチェの思想」そのものの映画化と言ってもよいのではないか、と思いました。
映画の物語展開の鍵となる「謎の石版」、これが本書では、「民族の善を刻んだ石の板」が登場しますし、映画に登場する「スター・チャイルド」も、本書でたびたび語られる「子ども」と関連があるようです。 そもそもラストシーンが「超人」を映像化したものでないか…。
若いうちに触れておいて、決して損はない、偉大な思想だと痛感した次第です。
偏見たっぷりですが、感じたままに報告しますね。
約1年間使用した感想です。
当方、身長173センチ、体重62キロです。
◎機能:使い心地◎
《ヘッドレスト》
角度も自在に動かすことが出来て、堅さも丁度良いですね。 素材もメッシュ地でサラッとして快適です。 素晴らしい。
《赤い背もたれ》
実際にもたれて背中をグリグリとよじったり押し付けたりすると、どの動きに対しても、しっかりとホールドしてくれる事がわかります。
柔らか過ぎず、堅くもなく、長時間のデスクワークには、この弾力性が丁度良いですね。
それになんといっても蒸れない!メッシュ地の表面の素材は、意外にも一年中通して快適なのに驚きました。 素晴らしい!!
《アームレスト》
この椅子の中で、唯一疑問に思う部分なのですが。 できたら、もう少し質感を上げていただければと思いますね。 せっかくここまでの芸術作品なのに、この部分の安っぽい質感はいかがなものでしょう。 引っ掻き傷が、結構目だちますね。 例えば、肘を置く部分の表面に、メタル調の素材でストライプをあしらうとか、弾力性のある素材で包むとか......
ここにお洒落度をアップすれば、グンと高級感が出てくるのではないでしょうか? だったら、私は迷わずもう1台買っちゃいますね。
《分離型座面》
もうこれは......なんて言葉にすればよいのでしょう。 このニーチェに初めて座った日から、今も変わらず毎日感動させられます! 日々のデスクワークで「腰が痛い、きついなあ」と言ってちょくちょく床に寝そべって腰を伸ばしていた事が嘘のようです。 少々大げさかもしれませんが、異次元的ですね。 手で押せば、結構柔らかいのに、腰を降ろせば何故か堅さも丁度良い。 それにやはり何と言っても蒸れない!
《椅子の高低調節》
とてもスムーズで難しい操作もありません。 かなりの身長幅もカバーできますね。
《キャスター》
とても骨太でしっかりしています。 デザイン的にも品があると思います。 腰掛けたまま激しくスライドさせても、グニャグニャと揺れたりきしむことなどまったく有りません。
【 総評 】
ニーチェの第一印象は、「仮面ライダーの胸板みたいだ!」でした。
あの赤い胸に包まれてみたい......
そう思った私は、近くの家具屋へすっ飛んで行きました。
しかし、店頭にはニーチェは置いては有りませんでした。
店長さんに話すと、「私が仕事用として使っている物がありますので、座って見てください」と言って、事務所の中へ案内して下さいました。
「何故、店頭に置かないのですか?」
との私の問いに、店長さんは頭をかきながら、「いや〜、買って下さるのは医者か建築関係のデザイナーか、会社の重役の方がほとんどで、限られた人にしか売れないんですよ」との事。
初めて実物のニーチャを目の前にし、私はその高級感と重圧感に驚きました。
他の椅子と比べてとても大きくみえました。
それは、明らかにニーチェの存在感が、他を圧倒していたのです。
座った瞬間、「はあ〜凄い......」と言ったまま、言葉を失っていました。
その後、なんと私は、その場で4時間も熟睡してしまったのです。 目覚めた私は、その場で迷わず注文しました。
金額は、ネットで買うより随分割高でしたが、それは当然だと思いましたし、今も後悔していません。
購入後、体重90キロの友人と痔を持っている友人を呼び、座ってもらいました。
目を丸めて驚いたのは、双方の友人でした。
体重が90キロの友人は、「ギシギシ音がしないよ。凄いよ!背もたれに思いきり体を預けても、何の不安も無いね、こんなの初めてだよ!」
痔持ちの友人は、しばらく腰をゴニョゴニョさせた後、考え込んでいました。
そして「これだよ、こんな椅子を探していたんだよ。これだよ!」
目にはうっすらと涙を浮かべていました。
勿論、その2人の友人は、ネットで即買いでした。
私より、随分安くね。
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