著者の既著は何冊か拝読しているが、今回のこちらは今までになく力が入っており、かつ内容(具体的な対応策)についても読み応えのある内容なので、年金問題考察についての一般の方向けの現時点でのベストの参考書となるのではないだろうか?賦課方式の年金制度を積立方式に大胆に改める「年金制度のグレートリセット」が今こそ必要だと著者は唱える。無論、世の中にフリーランチは存在しないので、「新制度」も総額として必要となる資金のパイは変わらないのだが、重要なのは相続税税制の大胆な改変(それが可能かどうかは評者はかなり疑問に思うが)により世代間の負担不公平を大幅に是正できるとしたことだろう。
果たして将来、年金はもらえるのかどうかということだけでなく、政治や経済、国際情勢や原発問題など、明るい材料を見つけることができない現状の中で、人に頼らず自分で稼ぐ分野があるということを著者に教えてもらいました。自分の可能性に気づくことができる良書だと思います。
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