映像のスタイリッシュさが語られる事の多い本作品ですが、ロマンチックさがこの作品の最大の魅力だと思います。日本映画ではありえない程のキザでロマンチックなせりふのオンパレードですが、それを恥ずかしく思わせないウォンカーウァイの演出は見事です。豪華な役者陣とクリストファードイルの撮影テクニック、時代設定を60年代にもっていったねらいがずばり的中しています。 こんなにロマンチックでスタイリッシュなラブストーリーを撮れる監督は現代ではウォンカーウァイしかいないでしょう。 素敵な女性と一緒に見る時には是非おすすめの映画です。
香港映画にはまり始めたころは、トニーレオンのファンだったのに、 彼の代表作には、たいていレスリーチャン(陳国栄)が!
わたしの中でハリウッドの“憂い”はリバーフィニックス、 香港映画の“憂い”はレスリーチャンです。 作品によってはコミカルな役も多いレスリーだけど、 この映画では持ち前の“憂い”を出しきっています。
どんなにキザでもどんなに破滅的でも、 「なんだか気になる」そんな孤高なエディがとても魅力的で。 見てから数年も経つのに、物語はあまり覚えていないのに、 エディの存在だけはきちんと覚えているのです。
ちなみに撮影地の香港「queens cafe」は残っていますが、移転していました。 今でも、欲望の翼のポスターは貼られていますよ。(アンディラウのサイン付き)
ストーリーはシリアスだが、南国の美しい風景と音楽で和んでしまう。 深夜の観賞にお勧め。
香港のウォン・カーウァイという監督が一般に広く知られるようになったのは、本作の次の作品『恋する惑星』からだろう。しかし多くの映画ファンは、『欲望の翼』でその存在に気づいていたはずだ。さらに狭まって香港映画ファンならば、デビュー作『いますぐ抱きしめたい』から注目していたと思うけれど。
カンフー、コメディ、キョンシーみたいなホラー、といったイメージしかなかった香港映画にこんな洒落たものがあるのか、と世間を刮目させたウォン・カーウァイの功績は大きい。もっといえば、日本だけでなくアメリカやヨーロッパなど世界中がアジアに目を向けるきっかけを作ったといえる。韓国の映画がのし上がってくる前のことだ。
90年代はその意味で香港映画のゴールデンエイジだった。得意のアクション分野はもとより、アート系、上質のメロドラマ、お笑い、と百花繚乱だった。その幕開けとなったのが、1990年製作の『欲望の翼』だろう。新しい世界に触れるような思いで、僕は公開当時映画館の暗闇で息をひそめてスクリーンを見つめていた(実際その後どっぷり香港にハマった)。
今回、廉価版のDVDとして再ソフト化されることを、とてもうれしく思う(VHSしか持っていないので…)。マギー・チャンのほつれ毛、レスリー・チャンの猿股姿、そんな「生活感」をここまで恰好よく撮るなんて! としびれた記憶を、もう一度呼び覚ましてみたい。アジアの街のにおい、むせ返るような緑のいきれまで、画面からは伝わってくるに違いない。
クラシック入門にはおすすめ。タイトル通りどこかで聴いた事のある曲ばかりです。ですが、音質、フェイドイン、フェイドアウトなどを考えると最高とはいい難い。曲目もベートーヴェンやバッハ、ラフマニノフなどに偏っている感じがする。価格的には安いので、入門にはうってつけだと思います。良くも悪くも聞いて次第でしょう。
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