7年かけた連載が1冊になっています。 1文1文、丁寧な言葉で綴られた文章から情景が浮かびあがってくるよう。 様々な場所へ出かけ、様々な体験をしたことが詳細に綴られていて読み応えがあります。 女優ならではの暮らしぶりも垣間見ることができ、とても面白かったです。 日本文化に造詣が深く、手漉の紙や模様悉皆など、私が知らなかった日本文化についても数々記載があり、 読んでいて嬉しくなります。 とても内容の濃い、素敵なエッセイで、女性として日本人として 良い刺激を受けました。 手元に置いて折にふれ読み返したいと思います。
ファンならば手に入れたくなるものですが、パッケージだけでは中身がさっぱりわからず、購入したものの中に入っているのはミニゲームと、よくわからないものだったり。彼女のきれいな顔を色んな角度で見られるという利点はあれど、ちょっと高すぎる。
純粋に、中谷美紀のファンで中谷美紀の画像を狂おしいほど好きな人にはまあお薦め出来ます。これ自体が少し前のコンサートなので、青い頃の(妖しいなあ、その表現は)美しい中谷美紀が見られます。今の中谷美紀とは少し違います。 当然コンサートなので歌を歌っていますが、決して上手だとか、音楽的に優れていることはありません。下手ではありませんが、ちょっと違う感じです。 それでも、これを映像を含めた作品である、と見るならば、かつ中谷美紀の女優として以外の面を知りたいのならば、一見の価値はあります。
大胆な貧乏サバイバル旅行をした人でないと面白い旅行記が書けないって法はないです。ヨーロッパや北米の一人旅なら得意の私ですが、アジアに南米はちょっと安全面で踏み切れずにいたので、この女優さんの旅行の仕方は刺激を受けました。『良識ある大人の女性のちょっと思い切った』旅行記という感じ。こうやってガイドさんの手配で廻るなら心強いですね。私もこの方法を参考にしてインド旅行に是非行きたくなりました。、女性の一人旅で列車中に失踪とか行方不明になって家族に心配かける確立も減るかと思うと、、。大人の女性一人旅の体験記としては面白く、機内で熱中してあっという間に読みきりました。
自分がヨガ実行者だったらもっと面白かったでしょう。
文章力は?というと、すごく気の利いた表現には出くわしませんでしたが、ストレートで飾りのない文から、筆者の目にした情景が浮かんでくるようで楽しめましたよ。他のシリーズも読んでみたい。
原作を超える映画は存在しない。そんな常識をぶち破って見せたのがこの一本。
この映画、本質的に登場人物は三人だけ。 すなわち、松子と妹と父。 なりたい存在、なれない存在としての病弱な妹。 世界を象徴する抑圧主体としての父。
聖職者から性職者へ、はたまた犯罪者へ。 愛を欲してさまざまな男とめぐり合う松子、だが、それはみな、父が別の仮面を被って 現れた姿でしかない。その父に愛されたくて、しかし、その愛は得られない、父の愛はすべて 妹へと注がれる。愛なきゆえの人格的機能不全を表現する、カメラを前にした奇怪な表情。 流転の末、帰郷した松子は父と妹が既に死に伏したことを知らされる。そしてもうひとつ、 彼らの松子への思いも。二人を喪失した瞬間に彼女の時間は止まる。 人格はすべて抑圧と引き換えに与えられる。郷里の風景とよく似た川辺のアパートで、 世間から遮断された空白の時を過ごし、その果てに死するべくして死す。 クライマックス、「おかえり」のひとことは必然にして圧巻。
どうしようもない原作本からここまでの名作を仕立てた中島監督の技量がとにかくお見事。
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