本作品,全9曲と曲数は少なめだが,狩人の神髄を味わうには必要充分な曲目が揃っていると言える. 収録曲リリース後のセールスの伸び悩みとともに,彼らは多彩な音楽性への挑戦を試みる.収録曲に代表されるような,「狩人らしい」曲調に彼らも疑問を抱いていたようだ.
音楽としての幅を徐々に広げていったこれ以降の曲目も一聴の価値はあるが,国民的愛唱歌と言っても過言ではない「あずさ2号」をはじめとした,熱く重厚な曲の数々が本作品では楽しめる.中でも「みちのく夏愁」,「国道ささめ雪」,「悲しみ・クライマックス」は出色の出来だ.
狩人の楽曲の特長は,なんといってもドラマ性の高い曲構成にある.マイナー調のイントロから始まり,情感を抑えたAメロからサビのクライマックスに駆け上がる曲展開,更にサビのピークを何枚も畳み掛け,頂点に達して一気に落とすという手法を用いて聴き手の心を揺さぶる. むろん,兄弟ならではの美しいハーモニーや,「静」から「動」への展開を加速させるバンド・アンサンブルとストリング・ワーク,叙情性の高い歌詞の世界がそれらを彩っていることに疑問の余地はない.
演歌でもポップスでもない,70年代後半という時代が生んだ唯一無二の狩人サウンドへの扉に本作品がなることを願ってやまない.
往復書簡のみで語られる恋物語。 切ない想いが行間に溢れて・・・恋する女に私も変身できそうです。 家庭を持ってしまった男にはそれまでの歴史の積み重ねがあり 簡単に放棄できないその人柄にも魅せられますがその傍らに位置する人にはなんとも表現しがたい切なさもありますね。 出逢ってしまったふたり・・・・好きな言葉です。 そして、もしあなたと出会っていなかったら・・・そう思えることの素敵さに感動しました。 どんな境遇になってもどんな場面に遭遇しても前向きに考えて行きたいとそう思いました。 この「恋文」を読んで、「トリアングル」を読んでますます万智さんの歌が好きになりました。
夜な夜なジャズクラブに集まる常連客の人間模様が 切なく描かれています。 主演の津川雅彦が渋い。絶品。 劇中でサックスをばりばり吹きまくる店のスタッフが 加藤剛の息子、大治郎。ハリウッド進出で名を上げた 栗山千明も重要な役どころ。さらには小林桂樹、 愛川欽也、峰岸徹などなど、ベテラン勢が ちょこっとずつ現れては消えていくゼイタクな作り。 そして何より、ジャズクラブ「A-Train」のセットにリアル感がある。 南青山のBと六本木のSと鎌倉のDを足して割ったような、 ホントにどこかにありそうな店。 派手さはないけれど、じんわりしんみり効いてくる佳作。
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