ジャンルで言うと、サスペンスですがこの映画はただのサスペンスだけでなく家族愛も描かれていてすごく感動しました。 ネタバレになるので詳しい内容は書けませんが、見るに越したことはないと思います。 ただ、後半に内容を詰め過ぎて展開が少し急すぎた気がしたので、前半部分をもう少し工夫するか上映時間を伸ばすなど改善点も見られました。
推理ドラマと医療ドラマを組み合わせた面白さ。 HappyもあればUnhappyもあり、毒舌、自己中心の裏の一瞬見せる心理描写も見応えあります。
1980年に潮文社から出た『イギリス怪奇物語』を、1994年にPHP研究所から『イギリス怪奇探訪』と改題・文庫化して出し、さらに改題・加筆して出版したのが本書。それなりに加筆・再構成されているらしい。 著者はイギリス大好きの英文学者。 イギリス各地の怪奇スポットが、地域別に紹介されている。ロンドン塔の幽霊、大英博物館のミイラの呪い、ストーンヘンジ、アーサー王、シェイクスピアにまつわる幽霊、ウェイルズの妖精、ネッシー等々。 自身が訪れたわけではなく、ネタ本から集めてきたようである。 手際よくまとめられており、イギリスの怪奇なものを一望するには便利な本。 この手の本としては、ちょっと文章が淡々としすぎているか。
自閉症になってから少女が繰り出す神業と、その意味を解明しようとする母親の考察が素晴らしいです。終盤で交わす、少女と母親との心の対話が最も印象的でした。ぜひ一度ご覧下さい。
ページを繰る手ももどかしかった。終わりの百ページ、話がどこに行き着くのか、息詰まる時間が続いた。単に、読みながらの予想の当否が問題なのではなかった。その予想が、どの段階で明らかにされ、それがどのように登場人物たちに影響していくのか。そして、誰が、どのような決断をするのか、その重さを思った。 行き着いてみれば、不可避の結末であった、とも思う。が、それにしても……。 一人の娼婦の人生を秘めたコインロッカーが、主人公たちの生き方を翻弄する。各々の恥が暴かれ、現在のスウェーデンの社会を露わにする。 本書を含むシリーズは、スウェーデンでマルティン・ベックのそれに比されているという。確かにマルティン・ベックを思わせる部分がある。しかし、そこに描かれた人々の心の風景は変わった。マルティン・ベックに比して、より荒れている、すさんでいるのだ。スウェーデンだけではない。この日本の現在を見れば、ここ何十年かの間に人々の心がどれほど変わったかを改めて感じるだろう。 有能だが、仕事中毒にならざるを得なかった、仕事仲間との意思疎通さえ難しいエーヴェルト・グレーンス警部。そんな警部になぜか親しみを持つ、家庭を大切にするスヴェン・スンドクヴィスト警部補。野心満々のラーシュ・オーゲスタム検察官。その他、普段つきあうとしたら首を傾げざるを得ないような癖のある面々が、読み進むうちに親しみが持てるようになるのだから不思議である。 本書を読めば、スウェーデンでの薬物中毒、警察や刑務所を含む司法制度、隣国との関係、強制売春の実態等、多くの考えさせられる事実も知ることができる。だが考えざるを得ない部分も含めて、何より、本書は大人のための第一級の娯楽小説である。
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