映像特典DVDが凄いです。普通、古典のモノクロ映画で試写版は残っていません。残っていても採算が合わないので付けないのが普通。FOXの英断に感服。 クレメンタインとワイアット・アープとの別れのラストシーンに重大な変更があり、公開版は1カットだけ増えていますが、このカットの有る無しでは、(ゲームで言うところの)ハッピーエンドとバッドエンドの違い位印象が違います(ここで流れる主題歌「いとしのクレメンタイン」の旋律は、実際に西部で歌い継がれていたもので、現代日本の小学校でも必修となっております)。 アープとドク・ホリディが組んだ、クライトン一家との「OK牧場の決闘」は、西部劇の決闘の代名詞で、他にもこの決闘を主題とした作品は多いですが、本作はガンマンが撃ちあう場面は少なく、心理描写が多い、ジョン・フォード監督らしい古き良きヒューマンドラマとなっています。後世の撃ち合い主体の、いわゆる「マカロニウエスタン」とは趣が違います。 ガンは凄腕でも色恋沙汰は経験が無く、物語後半ドクを追ってむさくるしい西部に現れた、華麗な花クレメンタインにコロりとやられて思い悩むアープ、子供のように純粋です。急に身なりを整えて、クレメンタインと腕を組んでエスコート、天にも昇る気持ちでダンスを踊るアープ、可愛いです。 前半での強面のヒーローも、クレメンタインの前では全くの骨抜き状態で、非常に人間味溢れるアープ像となっています。この恋の行方は、上記のラストシーンにかかっています。
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。 しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。 しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。 沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。 これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。 いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。 ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。 いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。 そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。 日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
西部劇の名作がようやくDVDで登場。 販売元のホームページによれば、何やら凄い特典映像がついて いるようですが、本編だけでも勿論文句無しの五つ星です。 男達の「決闘」シーンは当然見せ場ではありますが、それ以上に、 荒野をとらえた画面のハッとする美しさや、H・フォンダ演じる 保安官ワイアット・アープの「可愛らしさ」、クレメンタイン嬢の 清楚な美しさ、そして何と言っても全編に漂う仄かな”詩情”に 只々陶然とするばかり。必見です。
ジョンフォードの映画はどれも素晴らしいのですが、これがベスト1だと思います。最後の別れのシーンで、ヘンリー・フォンダ扮するワイアットがクレメンタインに「私はクレメンタインという名前が好きです。」というセリフが忘れられません。
数ある西部劇の中でも突出した傑作。 ヘンリー・フォンダ演じるワイアット・アープの物語。
弟殺しの犯人を追うアープの物語が軸になりつつも、 ドク・ホリディとの出会いと友情、クレメンタインやチワワといった女性陣の ヒューマンドラマの毛色が強い。 重厚ながら、笑いも含めたテンポのいいストーリー展開。
もちろん、キレのあるアクションも健在で、 最後の”OK牧場の決闘”は大迫力だ。
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