収録曲 (1)……そしてどこにも山の姿はない(シュワントナー)/埼玉栄高等学校吹奏楽部 (2)カルミナ・ブラーナ(オルフ)/兵庫県立明石北高等学校吹奏楽部 (3)課題曲:吹奏楽のための「斜影の遺跡」(河出智希)/東海大学第四高等学校吹奏楽部 (4)吹奏楽の為の詩曲「アトモスフィア」(名取吾朗)/愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部 (5)交響詩「ローマの祭」より 十月祭、主顕祭(レスピーギ)/洛南高等学校吹奏楽部 (6)バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より(プロコフィエフ)/常総学院高等学校吹奏楽部 (7)交響三章より(三善晃)/秋田県立新屋高等学校吹奏楽部 (8)ディオニソスの祭(シュミット)/香川県立丸亀高等学校吹奏楽部 (9)交響的印象「教会のステンドグラス」より 大天使ミカエル(レスピーギ)/東海第一高等学校吹奏楽部
1991年ソニーミュージック、SRCR−8697
著者は、「笑ってこらえて」「イッテQ」「カルピスのCM」などに出演して素晴らしい演奏を披露してきた市立柏高校吹奏楽部の総監督、名物教師の石田修一先生。 毎年220人もいる吹奏楽部の部員たちをまとめ「絶対に補欠はつくらない、全員が主役」という方針で厳しい練習を指導し、吹奏楽コンクールやマーチングの全国大会常連校に育て上げてきた。 「すべての生徒に幸せになってもらいたい、そのために吹奏楽を教えている」という著者は、高校生にまず「笑顔とあしさつ」から教えるという。 35年前、著者が同校に赴任した当時、楽器ひとつないところから吹奏楽部を創設し、その年、1年生部員だけで県大会で準優勝。 その後の挫折と成功のなかで、著者が編み出してきた指導の秘密が手にとるようにわかった。それは、「音楽と感動」「教育と幸せ」について突き詰めて考え実践してきた「石田マジック」と呼ばれるユニークでシンプルな教育論。具体的に氏がどんな話を生徒たちにしているのかがわかって面白い。 音楽関係者だけではなく、これから教師になる人、現役の教師、高校生やその親にもぜひ読んでもらいたい感動の1冊でした。
著者の経歴を拝見すると、教育現場に長くいらっしゃる方のようです。全体を拝見して思ったのは、先生が別の先生の取り組みをじっくりレポートしたんだな、ということでした。ご自身の気持ちのたかぶりとともに目の前の事実の報告をなさっている印象です。とくに指導者の講演にふれたところでは、PTAの勉強会に出席しているような気分になりました。教育者である著者が取材対象である指導者の「教育方針」に感動したのだと思いますが、読み手である私とは感動ポイントに少々温度差があり、腹のそこがスッとさめた気分になりました。 吹奏楽団の活動スケジュール、練習風景などはよくわかりました。完全に客観視するレポートなのか、対象に入り込んだ読み物なのか、どちらかに絞り込んだ方がよかったのではと思います。
卒部生です。
現役の時は、練習ばかりの毎日で、普通の高校生ではなかったかもしれません。2時間目が終わったら弁当をちょくちょく食べて昼練習に行き、帰宅したらテレビも見ず寝る、翌日は5時起き、勉強は通学・帰宅途中の電車の中、流行には程遠い長いスカートで街中を歩く、などなど。 そんな生活を3年間も続けられたのは、支えてくれた両親や友達、何よりも憧れて入った市立柏高校の最後のコンサートで石田先生に呼名されて卒業したいという強い意思があったからだと思います。
私が1年生の時は、石田先生は部屋に入ってくるなり、ものすごいオーラを放っていて、雲の上の存在のようでした。2年、3年にもなると先生と接する事も多くなり、3年の時には先生の指示を元に練習内容を決める役職につきました。 その他にもコンクールの自由曲のカットや、その曲の説明の和訳まで頼まれ、当時は「何でも投げてくる先生だなぁ」としか思っていませんでした。でももしかすると、先生は私より先に私に翻訳のセンスがある事見抜いていたのかもしれません。今海外で生活する私は、翻訳の仕事もしていたので。
先生はよく「俺は種を蒔く、お前達で花を咲かせろ」と言っていました。卒部して10年以上経って思う事、それは先生の蒔いた種で美しく誇らしく咲く事ができたのは、私達卒部生なのではないでしょうか。 社会に出て大切な事、礼儀、楽器の向上、今でも連絡を取り合う仲間、それらべてを先生は私に与えてくれました。
この本は、教職に就かれる方、同じ年頃のお子さんをお持ちのお父さん・お母さん、吹奏楽に携わる方々にはたくさんにヒントを与えられると思います。 そして、今帰宅部の中高生、バイトや勉強は社会に出てからいくらでもできるから、学生の間は是非部活動をして欲しい!今しかできない貴重な事だから。
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