ファンタスティック・プラネットで有名なラルー監督の作品ですが、「ファンタスティック~」や「かたつむり」等の独特な雰囲気を求めて見ると拍子抜けしちゃうかもしれません。(あれはやはりトポールのイラストと切り絵という手法がかもし出すものなのでしょう。) 内容もSFにありがちと言えばありがちなんだけど、書籍なんかで酷評されてるほど悪くはないと思います。色使いとかキレイだし。 もしかすると話の内容的には、こちらの作品の方がルネー・ラルーの世界観を表してるのかもな、とも思えます。 ただ、セルアニメーションとしての完成度という点では、日本の高精度なカトゥーン・アニメーションを目にしている私達にとっては???という感じですが。まぁ、それも味ってことで。
フジテレビの「西遊記」最終回で民放の壁を越え、「モンキーマジック」のBGMでマチャアキが登場した時には鳥肌モンでした。
当時小学生の私は毎週日曜夜8時には家族全員で見てました。
お小遣いをためてゴダイゴのLPを買ったものです。
今は自分の子供たちがフジの「西遊記」に真剣に見入っていて、一部ですが英語の歌に初めて触れ、時代が繰り返しているのを感じます。
当時のレコードはまだありますが、保存版として購入しました。
次はマチャアキの「西遊記」のDVD化を望む!
シリーズ文明の道第3集は仏像誕生の謎について探っていきます。そもそも、仏教徒は仏陀自信の戒めもあって仏像作りは行えませんでした。つまり、最初はイスラム教徒等と同様に信者は偶像崇拝は行わず、ストゥーパ(仏塔)のみを拝んでいました。しかし、現在のパキスタン辺りのガンダーラ平野には、紀元前のギリシャのアレクサンドロス大王の遠征軍の末裔達がそのまま住みついていて、インドの仏教徒達に取ってはタブーだった仏像作りを始めてしまった。その当時、丁度この地を治めていたのがイラン系遊牧民族の建てた王朝クシャンで、彼らは元々はゾロアスター教を信仰していていましたが、有名なカ二シュカ王等は仏教を奨励し、またそういった要求も有って、仏像は瞬く間にアジア各地へと広がっていきました。つまり初期の仏像はギリシャ人の作ったヘレニズム様式で、我々日本人から見ると余り馴染みの無い西洋風な顔立ちをしています。しかし、それもアジア各地に広がっていく内に、それぞれその地域に合った顔立ちの物に変わっていきます。この物語を見るだけでも、ギリシャ人が世界史の中でヨーロッパ世界以外の場所でも果たした役割が大きいのが感じられます。例えば、有名な古代エジプトの女王クレオパトラ7世はアレクサンドロス大王の部下プトレマイオスの血筋を引いていたし、トルコの遺跡等ではアルカイックな彫刻等も発見されています。その意味に置いて、仏像誕生の歴史も東西文化の融合と発展という歴史を、今に伝える物として面白いと思います。
美形の仏像のオンパレードを期待してたので、少し残念でしたがガンダーラ仏の発生から成り立ちが 仏像以外の遺跡の写真と共に丁寧に説明されてます。 もちろん仏像の写真もあり、帯に書かれてるように入門書としてはとても最適だと思います。
ガンダーラ、私には不思議な郷愁を感じるところです。 世界史で学んだこと、ギリシャ軍がこの地を訪れその後文化的な影響を与えたことなどのほかにもちろん、30年以上前にGodiegoの"Gandhara"を聴いて感じるところがあったのですが、調べれば「現在はパキスタンの領土であるペシャワール地方云々・・・」と知り、自分が行くことはないだろうと諦めたものです。 この本は1985年に出版されたもので、内容も当時のものなので、当地の最近の歴史や動向を考えると現地がこの本と今でも同じであろうとは思えないのですが、しかしながらそれ以前の数千年前からの歴史が変わるわけではありません。 玄奘三蔵が経典を求めて行った天竺が実はこのガンダーラであり、そこはかつてはたしかにインドであったけれども、実は私たちが知る今のインドとガンダーラ〈天竺〉は文化、地理、気候、民族、言語などさまざまな面で異なっているということが、この本を読むとよく分かります。 彼の地の歴史や仏教の生い立ち、そして芸術に造詣が深い(などと私などが言ったら怒られそうですが)平山氏が現地で留めたのスケッチの数々、彼の目を通した記述、現地に根ざした活動を通じて空気さえも映し撮ったような写真を示してくれる佐藤氏、古代美術史の専門家上原氏と平山氏の対談など、非常に内容が濃く価値の高い本です。 それが「とんぼの本」として安価に得られることは、とても幸せだと思います。
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