現在の自衛隊が持つアキレス腱を認識しつつ、国民を守る使命感を維持する限
界、ギリギリの現状の中で活躍している航空自衛隊について表現されている。
国防軍に位置づけて、自立必要があると思う。
本作はWOWOWのオリジナルドラマとして制作されたものだ。ごく普通のサラリーマンが、台湾人の娼婦を助けたことから始まるハイテンションな作風は、本当にシビれる。アクション監督は谷垣健治だが、ドラマ部分は冨樫森監督によって撮られたものだ。どうも映画本編は乗り切れない作品が多い監督だが、これはいい!もっとこういう作品を手掛ければいいのに、と思う。もとから女優の撮り方には定評があり、今回も台湾人娼婦を演じた、紺野まひるを妖しく、かつキレイに撮り上げたのはさすがだった。これに加えて「鰯」と呼ばれたしがない会社員・ユースケと殺し屋・大沢たかおの一騎打ちも迫力満点。高岡蒼佑の殺気や宝田明の色気も最高だった。ユースケは鰯と呼ばれる逃げ回る雑魚、という人生から脱皮できるのか?最終決戦は台湾ロケで展開されるのもスケールが大きい。紺野演じる娼婦を救うために台湾へ乗り込むユースケの表情は、本当にカッコよかった。大沢たかおも最近は「いい奴」が多いので、こういうクールな悪役もいいなあ。目立たない作品なので、見逃している人も多いと思うが、これは「拾いもの」の傑作である。ぜひ観てください!
「正義の味方をするほど給料は貰ってない」そう言いながらも不器用に信念を貫こうとする主人公。 今までの作品同様緻密に書き込まれた描写はどこまでもリアルで、「こういう店は実際にあるかもしれない」「こういう人物は探せばいるよな」 と思わせる。 特に警察組織の描写は警察官が書いてるんじゃないかと疑いたくなる位リアルだ。 ネタバレになるので内容については詳しく書かないが、今作にはTwitterやAKBのヒット曲など手の届く範囲にあるキーワードが自然に散りばめられている。 2013年の今、実際に起きても不思議じゃない小さな事件からリアリティを失わず物語は一気に加速していく。 主人公の荻生は強くてかっこいいヒーローではない。意地悪な言い方をすれば冴えなくて地味でくたびれた中年だ。 でも刑事にとって本当に必要なのは逮捕術でも推理力でもましてや射撃の腕でもない。そう思えるのが今作の一番の魅力だと思う。
今作を読み終えたら今作で活躍した人物が登場している「ニューナンブ」「街角の犬」「えれじい」の愛崎署三部作も是非。
懸命に生きてきた主人公が文字通りの人生一発逆転を狙う。 タイムトラベルというおなじみの設定を使いながらも、細やかな浅草の街並みの描写や製薬会社の過激な接待など作品独自の世界をしっかり持っていて古さは全く感じさせない。 山谷堀というキーワードで物語の最初と最後を使って対比している台詞が胸に沁みる。 著者には他にもサラリーマンを主人公にした「狼の血」という作品がある。こちらも胸に突き刺さる傑作だが、今回の「路地裏の金魚」は同じ様にくたびれたサラリーマンを主人公にしていながらこんなにも優しい。鳴海章だから書ける面白くて優しくて強い物語。 「夏への扉」好きにはたまらない。絶対に気に入ると思う。 是非読んで欲しい。この作品を読まないなんて勿体ないですよ!
切ない映画ですが、見終わった後は、何か希望のようなものを感じさせます。
佐藤浩市が非常に良いです。 伊勢谷友介演じる主人公の最初救い難い浮き加減に対し、徐々にばんえい競馬の現実を含んで見せるシーンが、お気に入りです。 小泉今日子の「女を感じさせる賄いのオバちゃん」ぶりも良いです。
でも、この映画の本当の主役は「ウンリュウ」号でしょう。 「ウンリュウ」号からは物言わずとも定めとして走る、という使命感と説得力が充分に感じられ、ばん馬としての宿命を感じます。 不覚にもラストシーンで泣いてしまいました。
みんな一所懸命生きているんだと改めて感慨に耽る、日本映画の秀作です。
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