友川ファンんら、ぜひとも持っておいて損はないと思います。
まだ2枚しか聴いてないけど持ってるだけで,この先の音楽生活は安穏。紙ジャケットなのも嬉しい。残念ながら70年代のライブはないけど,まあ仕方がない。
友川カズキの音楽に触れたのは、「ナイナイのオールナイトニッポン」で2012年6月頃の事だ。 ナインティナイン岡村が偶然(おそらく、ちあきなおみの「夜へ急ぐ人」の、志村けんによるモノマネ映像を見ていて、その作曲者を追って)YouTube で発見した「生きているって言ってみろ」「トドを殺すな」といった、友川の曲を番組内で紹介し、あれよあれよと言う間に同年6月22日には友川が「ナイナイのオールナイトニッポン」に出演したのである。
その前週には「ぐっさん」がモノマネの素材にしていたことも明かされるなど、本人の出演に向けて盛り上がりもピークとなっていたのだが、まさにその出演日2012年6月22日は「J-POPの歴史が変わった」とナイナイ岡村も言っていたように、記念すべき一夜であったと思う。
1964年生まれの私もオールナイトニッポン歴は長く、最もインパクトのあった放送回は1977年の「『宇宙戦艦ヤマト』のラジオドラマ」の回(1時から5時までぶちぬきで富田敬や麻上洋子など豪華声優陣が集まった放送回。当時中学生であった私は大阪に住んでいたので、一部はラジオ大阪で、二部から後は強引にソニーのラジオ、スカイセンサー5800でニッポン放送にチューニングして聞いていたとは年寄りの思い出話。この時から西崎Pと松本零士は不仲であった)であったが、それに次ぐ、私史上二番目にのインパクトあるオールナイトニッポンであった。(残念ながら、タモリの放送は三位に後退してしまった...)
たしかに、日本の音楽シーンを一変させたかも知れないと私も思う。そのくらいインパクトのある演奏であった。
その友川のライブパフォーマンスを見たくなり、このDVDを手にしたが、彼の音楽をあだやおろそかに聞いてはならないなと改めて思わされた。
才能があっても芽の出ないことはあるし、時の運というのはいたずらなものだが、友川の存在を知らしめてくれたナイナイ岡村には感謝したいなと思う。
ナイナイ矢部も言っていたが、からあげ食いながらこの音楽聞ける人はちょっとどうかしていると思う。
まあ、そんな話はともかくとして、一人でも多くの人に聞いてほしいなと思う音楽ではあるし、からあげ食いながらこの音楽を聞けるようなつまらない感性の持ち主に聞かれて汚されたくないなとも感じて、複雑な気分になった。
むかし、友川氏は「ユートピア」の本来の意味「どこにもない場所」を知り、大嫌いだったはずのその言葉が急に好きになったという。 個人的には「フォーク」も「東北」もどうでもいい括りだと思っているが、友川カズキ、となると話は別だ。 こんな歌手(とうか存在)、どこにもいないだろう。
装丁が思いの外豪華で、特典DVDのケースも紙ジャケで出来ており、手にした時の感触が凄く良い。 この手のCD・DVD付き書籍のパッケージとしては、最高レベルのものだと思う。 書籍自体にも随所に色々な仕掛けが施してある。 ファンの間では殆ど伝説と化した「あの曲」の直筆歌詞も掲載されている。 本文に使用されている紙質も素晴らしい。 音楽本には得てしてデザインが残念なことになっていたりするケースが多い(特に懐古系)ので、ある意味想像だにしないカッコ良さだった。
歌詞の構成も、編年体ではなくあくまで「現在」を起点にセレクトされている感じがした。 セレクトに関しては、好みは人それぞれだろうが、「セメント」を初め、今はアクセス不可能な作品も掲載されているのは昔からファンにとっても嬉しいだろう。 冒頭に「あの曲」を持ってきて、最後に最新曲の「先行一車」を掲載した辺りが分かりやすいと言えば分かりやすいが、まぁ、確かにこうならざるを得ないだろうな、とも思う。
外からも中からも友川カズキという歌手の「匂い」がぷんぷん充満している。 これ見よがしな「東北怨念」や「70年代フォーク」といった括りを回避し、現在進行形の存在としての友川カズキが本の中に息づいている。酒を酌み、ギターをかき鳴らし、咆哮している。
昨今、ドキュメンタリー映画の公開を機に友川氏の周辺が俄然騒がしくなり始めたようだ。 皆気づくのが遅すぎた、とうそぶきたくもなるが、正直ファンとしては嬉しくなくもない。 有体に言えば、若いリスナーこそ手に取るべき一冊だろう。
好き嫌いがあるでしょうね 魂を揺さぶる歌い方なので人によっては不快感を持ちそうでない人は 好感を持ちます、何事も人それぞれですからね
|