オークラ出版が新規に立ち上げたライトノベル専門レーベル「NMG文庫」清水文化さんなんかも起用しておられるので 間違いなく「ラノベ」を出版しようとしたのでしょう。…しかし幾らBL本を出してきたオークラ出版でもまともなラノベを 出せるのかと不安を抱いたまま手に取った一冊がこれでした(ちなみに帯には確かにラノベと書いてありました)
ギターを抱えた半裸のジジイが表紙という時点で尋常ではない。普通ラノベの表紙といったら太ももとか肌を大胆に晒した アニメ顔のお姉ちゃんの絵ではないかと。まあ、内容はもっと尋常では無かった訳ですが
語り手が専門学校卒の二十歳過ぎたプーだという時点でラノベの基本を思い切り踏み外しているのですが、物語の舞台がまた凄い 西東京市に存在する白光団地という公団なのですが、六十年代に建てられたと思しき老朽化してまともな住人がいなくなって 代わりに日本の最底辺層が巣食っている、いわば現代日本の魔窟です。住人の大半がまともな職業に就いておらず、暴力沙汰と 窃盗が日常茶飯事で警察も人死にが出ないと来てくれないという人外魔境に父親のやらかし(某SNSで炎上を起こし実名・勤務先が バレるという最低な顛末)のお陰で祖父を頼って主人公・直人がやってきた所から物語は始まります
さて、件の表紙のジジイにして主人公の祖父・巌が当然普通じゃない。息を吸うように暴力を振るうマリファナと抗鬱剤の常用者 そこそこ頼りにはなるが、いざという時に鬱で完落ちして役に立たなかったりする極めつけの変人ギター職人。第一話でぶちのめした相手を 「人間ギター」に改造するシーンはFate/Zeroの「人間ピアノ」が餓鬼のままごとに見えました
構成的にはこの最低な公団を舞台に暴力ジジイの破天荒な行動に直人が振り回される騒動が三話収録されています
まあ、およそ美少年・美少女が汚れも臭気も無いデオドラント空間でラブコメったり厨二バトルするという一般的なラノベ読者が 想像する内容では無いのは確かです。出てくる公団の住人は全員クリーチャー同然で、そいつらが暴力を振るったり死体になったり 死体になった後もカラスに目玉をほじくられたりします。第一話で出てくる25歳のエジプト人ダンス講師(バツイチ・子持ち)が 女神様に見えるぐらい「どうしようもない最底辺」が描かれ続けます
けど、これが型破りに面白かった。今やラノベは新人募集でも「カテゴリーエラー」と称して決まった枠の中に収まらない作品を 自動的に弾き出すシステムになっているそうですが、そんなケツの穴の小さい了見でどうやってラノベというジャンルを開拓できましょうか? 本作品のあとがきで作者が言っている様にいつまでも甘酸っぱい二次元の未成年時代に生きていたい中年童貞・中年処女を生み出し続ける だけで衰退するばかりだろうと言いたい。ラノベを作る側も読む側もたまにはこういう破壊的なブツを自分の頭に叩きつけて 凝り固まった「ライトノベル」という概念をぶっ壊すべきではないでしょうか?
TVでの放送日は同じ堤監督の「池袋ウェストゲートパーク・スープの回」と1日違い。キャストなども微妙にかぶっているのだが、やはり照明関係・セット関係の予算が違いすぎるなあという感は拭い去れない。 とはいえ小ネタ満載の堤演出は低予算でも破綻することなく(ただし一箇所、ロケのスケジュールの制約のためか1シーンが見る見るうちに夜になるところはご愛嬌)サラっと見る分には水準をクリア。 戸梶圭太の原作ファンにとっても、あのマンガチックな展開は納得いくのではないだろうか。
堤監督作品も渡辺謙さんも好きな私も、最初見た時はよく理解でき なかったのですが、繰り返し見るうちに堤ワールドの虜に。 窪塚君女装似合うなぁ。仲間ちゃんのまばたき一切なしの演技にも 注目。椎名さんのエースのジョーもイイ・・・ しかし謙さんファン的には珍しい悪役や、口元、顎、目元、手元、 足先など小出しにしか写らないのに各パーツと渋い声だけでも さすがの存在感の出演シーンも見応えあります。また終盤に写る坊主頭 と全貌が怖い!少々遊びすぎてらっしゃるところありましたけど。苦笑 面白いと思うか思わないか、評価の分かれる作品かもしれませんがご一見あれ。
タイトルだけに惹かれて、この作者の本を初めてよみました。 社会派SFと勝手に思い込んだあたりで、既にズレてたんですが、展開はマンガみたいで面白かったです。
導入部は、あながちあり得ないことでもない感じで、引き込まれました。 途中から、物語は私の想像から大きくはずれた展開を見せ、ややグロ系のギャグ(?)シーンてんこ盛りでした。 (物語としては、ちゃんと進んでますが、描写が・・・) 話はどこへ落ち着けるのかと思いながら読んでいましたが、なるほどね。って感じ。
そう思って読めば面白く読めます。 ちゃんとした本でした。
今財政を圧迫してる生保、こんな風に簡単に打ち切れたら面白いですね。でも切実に困窮してる人には・・・
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