リニアモーターカー(MLX001)の入門書です。 東京−大阪間を時速500キロで約1時間で結び ます。工事区間は3候補ほどあって僕は山岳経由を 有力視しています。JR東海リニア実験線は、既に 山梨県で試験運転を繰り返しています。
リニアと新幹線との違い、開通後の交通体系への影響など、著者の従来からの主張を交えて考察した好著。相互乗り入れができない鉄道の欠点について改めて考えさせられた。
大型プロジェクトを完成させ、世の中が便利になることは大変良いことだ。但し、その為には「出費」という大きな壁が存在し、最終的に儲かるものか否かが成否を決める。この本はその点にスポットを当て、拙速なリニア建設は危ないと警鐘を鳴らしている。日本の人口が少なくなる中、本当に建設費を回収出来るだけの乗客数を望めるか、それに就いては皆さんも是非この本を読んでじっくり考えて戴き度い。 又、リニアの各駅停車は東京〜大阪迄2時間。現在最速の新幹線のぞみ号は東京〜新大阪間2時間25分。このような差しか存在しない中で、本当にリニアは必要なのか。新幹線を改良した方が遥かに低コストで最大の効果を得られるのでは と思ってしまう。 東京湾横断道路、本四架橋、台湾高速鉄道、中海干拓等、苦戦を強いられた、もしくは失敗した事業は多い。その二の舞にならないよう、リニア建設は慎重に行って戴き度い。この本を読んだ後、現在のリニア建設計画に大きな不安を抱いた。
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