ほんの些細なことで人生は変わってしまう。自分の人生や未来に無用心な若者はなおさらだ。やりきれない想いで破裂する感情は、SEXと暴力となって溢れ出す。そんな若者達を描いた映画。20年前の映画だが、劇中の若者達も今の若者達も、本質は変わっていないと気づかされる。ふた昔前ならショッキングな結末も、今の時代になるとより身近でリアルに感じられる。
昭和31年当時の鎌倉駅や逗子葉山の海岸、とりわけ曾遊の芝崎が登場するのが懐かしい。むかし家族揃ってよくこの岩磯で泳いだり魚やウニをとったものだ。そんな鎌倉の海でことし4回目の海水浴を楽しんで来たところだ。
当時は水上スキーなどは珍しかったと思うが、これをごわごわの水着をつけた子に教えるのが若き日の津川雅彦。謎の女性北原三枝に一目惚れするのだが、結局は遊び上手の不良少年、石原裕次郎に略奪され、ラストで狂気の皆殺しに転落していくその暗い無表情が素晴らしい。
すべてを放棄し自己を滅却した死への逃亡こそ石原慎太郎の潜在願望だが、年を経るごとにその衝動が保守されてきたことは慶賀すべきか、はたまた哀しむべきことなのかさっぱり分からない。
やんちゃで笑止千万な太陽族!?を演じる裕次郎のセリフは相変わらず聞きとれないがファムファタールの美枝ちゃんにミイラ取りが木乃伊となったアホ馬鹿プチブルのアトモスフェールだけはよく伝わる。
奇才中平の演出を称える映画人が多いが、それほどご立派なものではない。むしろ岡田真澄の奇妙な存在感が貴重である。
喰うても喰うても冷蔵庫に一杯残っているよ愛知和合の巨大西瓜 蝶人
ストーリーのかなめはミステリアスな女性・恵梨(北原三枝)。その当時、太陽族と呼ばれた既存のモラルに束縛されない青年像そのままの夏久(石原裕次郎)と、その弟で一途なタイプの春次(津川雅彦)の二人と同時に付き合う。夫がいながら春次との付合いは浮気じゃないと言い張る恵梨と、それじゃ自分と浮気しろと迫る夏久は狂気をはらんでいますが、最後には春次も若者の狂気を存分に発揮します。
日常に退屈し、ひたすらパーティーやドライブ、マリンスポーツと刹那的な快楽に明け暮れる若者たちを、スタイリッシュかつ過剰な演出で描いた本作は、日本で初めて大衆消費社会に適応した彼ら太陽族のかっこよさを人々に印象付け、実際には成りたくても成れない大多数の若者にも歓迎されたのでしょう。波止場で恵梨のカバンからこぼれ落ちたトランジスタラジオが、突然音楽を奏でだすシーンが印象的でした。
1曲目と2曲目については、他のレビューで書いているので、書きません。重要なのは、3曲目に収録されてる「CROW」です。今までカップリング曲でシングルの表題曲を超えるような曲はなかったが、この曲は「狂った果実」と肩を並べているというか、1曲目と3曲目が対比していて、さらにこの「CROW」の持つ世界観が際立つ。何気なしに初回盤だからと思って買って、ほとんど聴いたり、観たりしていなかった。だけど、何気なしにたまには聴いてみようかなと思ったその15分後、うちは「CROW」を聴き終わり、改めて清春の才能の高さと歌声に圧倒された。 .
清春さんのエイベックス移籍第一弾シングル『狂った果実』初回限定盤Aは、タイトル曲『狂った果実』とカバー曲『HELLO, I LOVE YOU』の2曲入り。それと『狂った果実』のPV収録のDVD付きとなっています。 『狂った果実』は、清春さんらしいスピード感あるロックナンバーでライブで盛り上がること間違いなし。歌詞からも『光は許された 未来は開かれた』と、これからの清春さんの活動の決意のような気持ちを感じることができます。 CDジャケットがカッコ良くて、封入されているジャケットステッカーもカッコイイです。 ただ…PVなのですが…確かにカッコイイPVだと思います。でも、演奏して歌っているだけのPVは、インディーズのPVだと思います。これだけの「意味のある詩」「カッコイイ曲」なのだから、もっと凝ったPVを作って欲しかったです。PVにちゃんと「世界観」があって、PVという映像から「何か」を伝えられる…PVって「映像と音」の両方を見せる、聞かせることができるじゃないですか。CDの音やジャケットや歌詞カードで表現できないことを伝えることができるのがPVだと思います。もっと「意味のあるPV」じゃなかったら、一体何の為にCDとセットにしているのでしょうか。清春さんなら出来るはずです。 6月発売のシングルも楽しみです。
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