独裁者 “ブログ市長”の革命
「独裁者」との悪名(?)高い阿久根市長である筆者が地方政治の実態と自身の指針を述べたもの。阿久根市の役所・議会の赤裸々な実態を基に、筆者が現在のような姿勢を取るに到った経緯が詳細に綴られている。地方分権万能への疑念も呈している。
地方議会は既得権益の巣窟である。総務省の権益の源泉でもある。今回、総務大臣がいち早く筆者の違法性を唱えたのもこの理由からだろう。一般市民の平均所得に比べ、市役所職員、市会議員の報酬が異様に高いので、その報酬を引き下げる、あるいは定数を削減する議案を議会に提出すると反対多数で却下される。賛成すれば自身の報酬を下げる事になるので、自身の権益を守る事しか頭にない議員が反対するのは当然だ。筆者は世襲議員を含め、議員を職業と考えている者の質の悪さを見限っているのである。議員の質が悪ければ、二元代表制など絵に描いた餅である。以下の引用がその趣旨を良く示している。
「政治屋は次の選挙のことを考え、政治家は次の時代のことを考える」
公務員に関してどれだけ透明性を上げるとプライバシー保護の問題に踏み込むか微妙だが、市役所職員の匿名による給与の公開もこうしなければ市民に実態が分かってもらえないとの切迫した思いが取らせた手段だろう。筆者も独裁的手法を是と考えている訳ではなく、他に即効的手段がないので、止むを得ず現在の手法を採っている事が伝わって来る。その意味で、筆者は確信犯であり、マキャヴェッリ的である。長い目で見れば別の手法もあったろうが、市長の任期は限られている。自身の任期の間に正しい姿に戻すという勇断だと思う。筆者に対するマスコミの反応も偏向していると感じた。筆者反対派もマスコミも民主主義の陥穽に陥っている様に思われる。今後、筆者の様な首長が増えて行くのではないか。
利益第二主義―過疎地の巨大スーパー「A-Z」の成功哲学
著者いうとおり、地域特性を知り尽くした場所でシェア率を極限まであげることは確かにできたが、今後多店舗化したさいにそのビジネスモデルが通用するのか?急速な拡大に見合った従業員教育、顧客対応が果たして可能なのか?ぜひ見守っていきたいと思います。